6条調査の意義と問題点について講演
部落解放第 53回東日本研究集会



 部落解放第53回東日本研究集会が10月14日、群馬コンベンションセンター(Gメッセ群馬)を現地会場に、ZOOMウェビナーを使用してオンライン併用で行なわれた。主催は、部落解放同盟関東甲信越地方協議会(関東ブロック)。

 午前の部では、はじめに片岡明幸・関東甲信越地方協議会議長が主催者挨拶を行なった後、内田龍史・関西大学社会学部教授が「部落差別解消推進法の現状と課題~6条調査の意義と問題点~」と題して記念講演を行なった。

 記念講演では、「6条調査によって全国的な部落問題意識の現状把握ができたこと、部落差別が現実にあることが明らかになったことなどは意義として挙げられるが、『人や地域を特定することを伴う調査は新たな差別を生みかねないため国民一般を対象とした意識調査を実施するのが相当』などの理由から当事者調査が行なわれておらず、明らかにできた部落差別事象は相談や事件として把握・発見できた事例のみで氷山の一角であることから部落差別の実態を捉えるには不十分であり、相談・教育・調査の連関の必要性などが『6条調査の』課題として挙げられる」と指摘し、「『新たな差別を生むことがない』ことを大前提とした部落差別を把握するための『人や地域』を対象とする効果的な調査方法を検討し、継続的な実態把握に向けて提言していくことが求められる」ことなどが話された。

 午後の部では、特別報告として①「関東における水平運動︱水平社に至る道のり」と題して鳥山洋・東日本部落解放研究所による報告、②「『全国部落調査』復刻版出版差止事件地裁判決を迎えて~裁判で明らかになった鳥取ループの差別性・違法性と裁判所の判断~」と題して山本志都・『全国部落調査』復刻出版差止裁判弁護団による報告、③「教員人権意識調査が明らかにした空白の15年の実態」と題して石川享助・埼玉県人権教育研究協議会による報告、④「科学的新証拠を武器に鑑定人尋問へ」と題して河村健夫・狭山再審請求弁護団による報告が行なわれた。

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