原爆投下から75年を思う
原水禁オンライン集会



8月6日に開催された原水爆禁止世界大会・広島大会

 原爆投下から75年、「被爆75周年原水爆禁止世界大会」はコロナ禍のため、8月6日、9日、12日にオンラインで開催された。オープニングは美空ひばりさんの「一本の鉛筆」をBGMに広島の原爆投下の動画や写真が映し出された。そして原水爆禁止日本国民会議の橋本麻由さんの司会で始まった。まず議長の川野浩一さんから「被爆者の平均年齢は83歳、自身も80歳を迎えた。昨年から世界の核兵器は470発減ったけれども中国は逆に30発増えロシア、米国につぐ世界第三位の核保有国になっている。今こそ北東アジア非核地帯を実現しよう。」と訴えた。

 続いて現地実行委員会を代表して佐古正明さんが発言、そしてアメリカ・ピースアクションのアピール。被爆者を代表して箕牧智之さんが「やがては被爆者が一人もいない時代が来る。その前に核大国の政治家が広島にきて原爆資料館を見学し私達の叫びを聞いてほしい」と訴えた。高校生平和大使の北畑希実・牟田悠一郎さんのアピールに続き、北村智之事務局長から「3年前に成立した核兵器禁止条約は39か国が批准し、条約発効まであと11か国になっている。日本は米国の核の傘のもと条約に署名していない。日本政府は被爆者の思いを誠実に受け止め、同条約の締約国になり核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果たし、唯一の戦争被爆国として、核と人類は共存できないことを世界に訴えてほしい」と基調提案があった。その後アピールを採択した。

 現地集会に参加しなければ分からないこと、広島の空気や、高齢の被爆者の姿、本質的に問われていることは何なのかなど、オンライン参加であるが故かいろいろ考えさせられた。

 待ったなしで進む被爆者の高齢化、被爆の実相・リアリティをどう継承していくのかが一番の問題だと感じた。私たちの運動でも当事者の生きてきたことが人の心を動かし、解放への動きをつくってきたからだ。

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