原点に立って職安法5条4を考える
就職差別解消シンポジウムに約1500人



炭谷茂・就職差別撤廃東京実行委員会実行委員長

 就職差別解消シンポジウムが6月12日、文京シビックセンター大ホールでひらかれた。主催は東京都産業労働局と東京労働局、共催が文京区。都連が実行委員となっている就職差別撤廃東京実行委員会(炭谷茂実行委員長)も特別賛同団体としてシンポジウムに協力した。集会へは約1500人の参加があった。

 1998年に発覚した差別身元調査事件を契機に職安法5条4や労働省告示第141号ができ、東京都では6月を就職差別解消促進月間とし企業啓発と都民啓発が行われてきた。私たち就職差別撤廃東京集会実行委員会(2018年に就職差別撤廃東京実行委員会に改称)も就職差別をなくすために2018年6月までに19回の集会を毎年ひらいてきた。20回を契機に就職差別解消シンポジウムに協力することで、就職差別撤廃に向けて都内の企業と都民により広範な理解をひろげようと取り組んできた。

 集会では東京都産業労働局の篠原敏幸・雇用就業部長、東京労働局の小林博志・職業安定部長が主催者あいさつをされた。

 集会のテーマは「公正採用選考の現状と課題〜就職差別解消促進月間20年の原点に立って〜職安法5条の4の背景を考える」であった。①基調講演「就職差別の完全な撤廃を求めて〜就職差別撤廃東京集会実行委員会の活動」(特別賛同団体の炭谷茂・就職差別撤廃東京実行委員会委員長)では、実行委員会の取り組みと経緯、部落問題と就職差別撤廃の課題、人権の確立とソーシャルインクルージョン(社会的包摂)推進の意義が語られた。②記念講演「公正採用選考と会社を元気にする人権」(竹内良・公益財団法人東京都人権啓発センター人権研修講師)では、JFEスチール、東京人権企業連、東京都人権啓発センターで取り組んでこられた経験から部落問題と人権についてわかりやすく話された。③報告1「新規学校卒業者を取り巻く採用・選考の現状と課題」(木下幸男・東京労働局職業安定部職業対策課長補佐)では、具体的な不適正事例や採用時の公正採用選考の周知の推進などが話された。④報告2「高校現場からの報告」(桐畑善次・東京都同和教育研究協議会事務局長)では、全国統一応募用紙制定以前と以後の用紙を具体的に示しながら公正採用選考の意義が語られた。そして、C社就職差別事件、H社就職差別事件が取り上げられ就職差別を受ける側の生徒の思いが語られた。

 また、DVD「フェアな会社で働きたい」の上映もされた。

  pagetop