効果的な相談活動の実施へ制度改善も要求
(公社)東京都部落解放研究所が相談員制度を受託



 東京都は東京都人権プラザの移転(地域の施設の廃止)にともない、「特定相談員」制度を廃止し総合評価入札方式による専門相談員制度をつくった。私たちは部落差別解消推進法の具体化としても地域に部落問題を解決する拠点施設を残すべきであると主張としてきた。特に、部落問題に関する相談は地域でおこなわれてこそその価値があり、地域に部落問題を解決する拠点施設を設置し、その中で部落問題相談員を配置し相談活動を実施すべきである。東京都が制度化した入札方式は、制度的に、当事者以外にも門戸を広げるものであり、人権相談活動における当事者性が保障できるものではない。この点はまず改善されなければならない。

 しかし、「部落問題相談」は部落差別の撤廃に向けて重要な取り組みであり、地域で相談活動を実施していくために、地域に活動拠点をおく公益社団法人東京部落解放研究所が受託することとした。相談活動を実施しながら、差別の現実に対応した「相談制度」の改善を要求していかなければならない。

 「相談活動」は、①地域住民の困難、要求、願いなど生きた現場の声を把握することであり、②その切実な相談に応え相談者といっしょに解決していく営みであり、③解決できない場合、社会的要求として法制度の改善も求めていく、そういう活動である。当事者性が保障された制度になるよう改善要求するとともに効果的な相談活動の実施に向けた「部落問題に関する相談制度」を確立していかなければならない。

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