推進法を踏まえて隣保事業の実施を要請
厚労省交渉(生活・福祉)



厚生労働省交渉(生活・福祉)

 厚生労働省交渉(生活・福祉)が10月5日、厚生労働省で行なわれた。

 交渉では、今日の部落差別の実態に対する認識と課題解決に向けた省の姿勢について、隣保館運営および隣保事業について、深刻化する格差社会とセーフティネットとしての社会保障制度の充実に関してなど6項目について交渉が行なわれた。

 隣保館運営および隣保事業については各都府県連から多くの質問や要請が出された。 

 都連は東京都が同和対策事業の地区指定をしなかったために隣保館はひとつもない。ただし、隣保館的機能を果たしてきた公共施設が数か所あることなどの現状を述べた上で、部落差別解消推進法を踏まえて、東京のすべての被差別部落でも調査、相談、教育・啓発などの隣保事業が実施、充実できるように当該の自治体に対して通知を出すなど働きかけてほしいと要請した。

 また、隣保館設置運営要綱における「地域住民」とは部落差別を受けている地域の住民であることの確認と全国すべての部落地域が地区指定、未指定地区に関わりなく対象地域であるとの確認を求めた。厚生労働省は「部落差別を受けている地域も含めて要綱にある地域住民である」と回答した。これは全国の部落が隣保事業の対象であると回答したことを意味する。

 この質疑を受けて、中央本部役員から「都連の要請に関わって、東京の実態を把握するために現地視察を行ってほしい」と問題提起がされた。今後、東京都や区市町村行政にも隣保事業の実施や充実の要請をおこなっていきたい。

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