師岡弁護士が講演
さあ、人権・平和条例を使いこなそう学習会



さあ、人権・平和条例を使いこなそう!学習会

 くにたちで人権・平和条例を活かす会が2月1日、「さあ、人権・平和条例を使いこなそう!学習会」を国立市・商協ビルさくらホールでひらいた。

 国立市議会は2018年12月21日、あらゆる差別を網羅的に禁止する「人権を尊重し多様性を認め合う平和なまちづくり基本条例案」(人権・平和条例)を全会一致で可決した。2019年4月1日に施行される。罰則はないが、被差別当事者も加えた市長の諮問機関が差別解消策や救済策を審議し、市が実施する実効性のある内容となった。この条例制定を踏まえ、現実の市民生活に活かし使いこなそうと今回の学習会が同会によって催された。

 集会では条例作成にあたってアドバイスされた師岡康子弁護士を講師に「国立市人権平和条例の意義と課題」と題して講演が行なわれた。

 師岡さんは国立の条例の意義として、障害者差別解消法、ヘイトスピーチ解消法、部落差別解消法の3法の実効化を明記した全国で初めての条例として評価した。東京都で「部落差別」を明記した初めての条例となったことを評価。全会一致で採択されたことの意義は大きく、各地の差別撤廃条例のモデルとなりうるとした。また、基本法+禁止法がスタンダードになっている意義は大きいとし、全国の条例制定を促進し、これから制定される条例の内容を底上げする役割を果たした。川崎市では条例案骨子、名古屋市、神戸市、神奈川県、新宿区などでも条例が検討されている。国立の条例によって、差別禁止規定が今後の条例制定の標準装備になっていく。そして、禁止規定+制裁+救済手続規定と公正性を確保する第三者機関の設置という禁止法の骨格の第一歩となった。また、、日本政府が1995年に人種差別撤廃条約を批准しており、国内法となっていることから条約の差別の定義を使うことができ、国立市の条例でも使われている。人種差別の定義とは「人種、皮膚の色、世系又は民族的若しくは種族的出身に基づくあらゆる区別、排除、制限又は優先であって、政治的、経済的、社会的、文化的その他のあらゆる公的生活の分野における平等の立場での人権及び基本的自由を認識し、享有し又は行使することを妨げ又は害する目的又は効果を有するもの」である。

 アピールでは、都連の近藤書記長、国立支部の宮瀧支部長らから発言があった。

 最後に歌手の李政美さんが「京成線」、「イムジン河」、「朝露」を熱唱された。

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