誰一人置き去りにしない
第27回ヒューマンライツセミナー



第27回ヒューマンライツセミナー

 第27回ヒューマンライツセミナー「 2億人のインクルージョンSDGsとダリットコミュニティ」が10月15日、日本教育会館一ツ橋ホールで開催され458人が参加した。主催は、第27回ヒューマンライツセミナー実行委員会。

 はじめに、西島藤彦・解放同盟中央書記長・IMADR専務理事が「国際的なダリットの課題や人権の課題を学び合いながらそれぞれの企業や団体の中で活かしていこう」と主催者挨拶を行なった。

 その後、アジア・ダリット権利フォーラムのポール・ディバカー代表が「ダリットにとってのインクルージョン」と題し、持続可能な開発目標(SDGs)において大切なのは、誰一人置き去りにしないということで、日本の部落差別を含めた世系に基づく差別の内、ダリットの現状を例に挙げ、経済発展から最も取り残されている人々がどういったコミュニティなのかを認識し、取り残されないようにしていく態度が必要であることなどが報告された。

 続いて、太平洋共同体上級人権アドバイザーのジェイシュリー・マングハイ博士が「マイノリティ女性にとってのSDGs」と題し、マイノリティ女性は他の人に比べてマイノリティであること、女性であることによる複合差別にさらされており、現在の開発政策は、社会保障や貧困削減政策も含めて複合的な不平等に苦しむ人々に届いていない。マイノリティ女性の開発への平等な参加を促すためには、声が届き、要求が表現され、リーダーシップが促されるよう意識的な努力が必要であることなどが報告された。

 その後、パネルディスカッションでは、NPO法人さっぽろ自由学校「遊」の小泉雅弘・事務局長が「アイヌ民族とSDGs」の視点からコメントし、ポール代表、ジェイシュリー博士、小泉事務局長が場内からの様々な質問に答えた。

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