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東京都人権施策推進指針

平成12年12月21日
総    務    局

            

東京都人権施策推進指針の発表にあたって

 首都であり国際都市である東京には、多くの人々が暮らし、学び、働き、活動しています。また、国内はもとより海外からも多くの人々が訪れています。東京に生活し、また集まる人々は、多様な文化や価値観、ライフスタイルを持ち、この多様さが自由で豊かな東京の魅力を醸し出し、活力を生み出しています。
 こうした東京のダイナミズムを支え、発展させていくためには、人間の存在と尊厳を守るという公理を基盤として、一人ひとりの人間がかけがえのない生命として生きる尊さを認め合っていかなければなりません。
 人は誰しも他者とのかかわりの中で生きています。人と人は相互に支え合い、個人は社会と深く結びついて生きています。
 しかし、昨今の日本は精神的な価値よりも金銭的・物的価値が、また、社会的責任より個人の権利意識が優先するなど自己中心的な生き方が広がっており、社会で最低限守られなければならない人間としての基本的なルールの欠如が強く感じられます。国際化や情報通信革命などによる社会の転換期に新しい東京をつくっていくためには、基本的な人権の尊重を基礎とした社会ルールを確立することが重要です。
 東京都では、東京を活力があり人々が安心して暮らせる都市とし、また、世界中の人々を惹きつける魅力ある国際都市東京をつくるために、人間の存在と尊厳を守る人権施策を総合的に推進するための指針を策定しました。
 指針の策定に当たっては、多くの都民、NPO、企業などの皆さまのお力添えをいただきましたことに、改めて御礼申し上げますとともに、今後の施策の展開に当たっても、さらに幅広い参画とご協力をお願いいたします。

平成12年11月
東京都知事  石原 慎太郎


 

《目次》

指針の目的・性格・進め方

第1部 人権施策推進の考え方
 第1章 指針策定の必要性
 第2章 指針策定の背景
  1 人権をめぐる国内外の動向
  2 東京における人権に関する現状
   (1) 人権に関する都民の意識
   (2) 東京における人権問題の状況
 第3章 指針の基本的な考え方
  1 人権施策の基本理念
  2 人権施策がめざす東京の方向
  3 人権施策展開の考え方
   (1) 公共性の視点
   (2) 総合的な仕組みによる推進
   (3) 都民、NPO、企業等の参画
  4 施策の評価と見直し
 第4章 指針の推進
  1 東京都の推進体制
   (1) 庁内の推進体制
   (2) 財団法人東京都人権啓発センター
  2 国及び自治体との連携
   (1) 区市町村との連携
   (2) 国及び近隣県市との連携

第2部 人権施策の具体的な取組
 第1章 救済・保護
  1 現状
  2 施策展開の基本的な考え方
  3 施策の体系
 第2章 啓発・教育
  1  啓発
   (1) 現状
   (2) 施策展開の基本的な考え方
   (3)  施策の体系
  2 教育
   (1) 現状
   (2) 施策展開の基本的な考え方
   (3) 施策の体系
  3 研修
   (1) 現状
   (2) 施策展開の基本的な考え方
   (3) 施策の体系
 第3章 支援・助成
  1 現状
  2 施策展開の基本的な考え方
  3 施策の体系

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【指針の目的】
 21世紀を展望して、東京都が総合的に人権施策を推進していくための基本理念を示し、その実現のための道すじを明らかにします。

【指針の性格】
 ○ 都における今後の人権施策の目標と施策展開の基本的な考え方を示し、人施策の基本理念を効果的かつ効率的に実現するためのものです。
 ○ 多様かつ複雑な人権問題に対応するため、個別分野の枠組みを越えた総合的な人権施策の体系化を図るものです。
 ○ 都民、NPO、企業、区市町村、国などに対して、都が目指す方向を示すことにより、その参画と協力を求めていくものです。
 ○ 首都東京にふさわしい国際的な視点に立った人権感覚を身につけることを職員に求めるものです。
 ○ 「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画の趣旨に積極的に対応するものです。

【指針の進め方】
 人権施策は、長期的な視点に立ち持続的に取り組んでいきますが、5年を目安に、施策の見直しを行いながら進めます。

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第1部 人権施策推進の考え方

第1章 指針策定の必要性

(新しい社会ルールの創造)
 現在の東京は、国際化や情報通信革命など大きな変化の潮流に洗われています。その中で、個人が、旧来の社会的枠組みを越えて活躍し、これまでとは比較にならない力を発揮する時代をつくりつつあります。
 その一方で、家族、地域、国家など、個人を支える共同体への帰属感が希薄となっています。また、精神的な価値よりも金銭的・物的価値、社会的責任よりも権利意識が優先するなど、社会における価値のバランスが崩れ、自己中心的な生き方が広がっています。
 これまでの社会ルールが揺らぐ中で、基軸となる新しい価値体系を見いだせず、社会の混迷が深まっています。
 こうした社会の転換期に、新しい東京をつくっていくためには、基本的な人権の尊重を基礎とした社会ルールを確立することが必要です。

(多様な価値観や生き方を尊重する東京の実現)
 少子・高齢化などの時代環境の変化に対応し、東京の活力と魅力を高めるために、個人の選択に応じたさまざまな価値観や生き方を尊重し、個性と能力に応じて、自己実現と社会的責任を果たすことが可能な東京をつくることが求められています。
 そのため、今日生じている深刻な問題に加え、女性、高齢者、障害者、外国人などさまざまな人々が機会の平等を基礎として、社会参画ができ、持てる力を最大限に発揮できるような仕組みづくりが必要です。

(人間の存在や尊厳を脅かす新しい人権課題への挑戦)
 情報通信技術や生命工学(バイオテクノロジー)などの科学技術の進展は人間の活動を飛躍的に拡大させ、都市生活に大きな利便性をもたらしています。しかし、その反面、プライバシーをめぐる問題などを引き起こしています。また、遺伝子の領域などにおいては、人間の存在や尊厳を脅かす、新しい問題の発生が危ぐされています。
 そのため、こうした新しい課題に挑戦し、人間の存在や尊厳を守っていく必要があります。

 このような課題に対応するためには、従来の人権施策の手法や体制の枠組みを越えた、人権問題を解決するための総合的な仕組みをつくっていくことが求められています。

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第2章 指針策定の背景

1 人権をめぐる国内外の動向
  20世紀における二度にわたる世界大戦の反省から、平和の実現にとって人権の尊重が大切であるということが国際的な認識となりました。このため国際連合(国連)は、昭和23年(1948年)の世界人権宣言をはじめとして、いわゆる国際人権規約の採択など人権の国際保障に積極的に取り組んできました。
  平成5年(1993年)に、ウィーンにおいて世界人権会議が開催されました。この会議において、人権が普遍的であり、正当な国際的関心であることなどが確認されました。
  これを受けて国連は、平成7年(1995年)から平成16年(2004年)までを「人権教育のための国連10年」とし、行動計画を策定しました。
  わが国においても、日本国憲法の基本的人権の保障を具体化するため、法制度の整備などさまざまな取組を行ってきました。
  さらに、国は、平成9年(1997年)に「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画を策定しました。この行動計画では、あらゆる場を通じて人権教育を推進すること、人権にかかわりの深い特定の職業に従事する者に対する取組を強化すること、女性、子ども、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人、HIV感染者等、刑を終えて出所した人を重要課題として積極的に取り組むこととしています。また、地方公共団体等に対し、計画の趣旨に沿った自主的な取組の展開を期待するとしています。

2 東京における人権に関する現状
(1) 人権に関する都民の意識
   世界有数の国際都市、生活都市である東京では、さまざまな文化や価値観、ライフスタイルを持つ人々が往来し、居住し、活動しています。また、国際化、少子・高齢化、通信技術の高度化などが急速に進み、都民の生活環境や人と人とのかかわり方が大きく変化しています。
   こうした社会経済の流れは、都民の価値観やライフスタイルに個人を基調とする考え方を浸透させ、一人ひとりの個性や自立性を重視する意識を定着させるとともに、個人の人権を尊重する気風をはぐくみ、人権に対する人々の関心を高めています。
   人権をめぐる個人の権利の尊重が定着しつつある反面、共同体のルールが崩れるにつれて、自分の権利だけを主張し、他人の人権に配慮しない傾向や自分の権利行使に責任を持たないなどの状況を生じさせています。
   また、本来、社会生活のマナーやルールの中で解決されるべき事柄までが人権問題とされたり、それぞれの人権を根拠とした主張が衝突するなどの問題も起こっています。
   人権をめぐる都民の意識や行動について、東京都が平成11年(1999年)6月に実施した「人権に関する世論調査」でみると、日本国憲法で保障されている基本的人権について、「知っている」と答えた人は96%となっています。しかし、基本的人権が尊重されている社会であると思いますかという問いに対しては、「一概にいえない」と回答した人と「そう思わない」と答えた人を合わせると72%となっています。
   また、自分より劣ったり弱い立場にある人に対して、差別的な行動や発言をしてしまったことが「ある」と答えた人は16%であり、逆に、今までに自分の人権が侵害されたと思ったことが「ある」と答えた人は、21%となっています。
   さらに、人権に対する考え方については、「一人ひとりの人権は、何よりも尊重されなければならない」と答えた人は41%です。一方、「一人ひとりの人権は、何より尊重されるべきだが、社会生活においては、ある程度の制約もやむを得ない」と答えた人は48%、「人権という名のもとに、権利の濫用が見られるので、むしろ制限すべきである」と答えた人は4%となっています。

(2) 東京における人権問題の状況
   東京の人権に関する問題を、「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画で全国的に取組が求められている重要課題及び東京としての特性を反映した人間の存在と尊厳にかかわる問題という観点から見ると、次のような状況になっています。

 ○ 女性
   東京では、女性がさまざまな分野で活躍し、働き方も多様化しています。
   いわゆる改正男女雇用機会均等法が平成11年(1999年)4月に施行されましたが、職場での差別的な処遇やセクシュアル・ハラスメントを訴える声は後を絶ちません。
   さらに、夫やパートナーから暴力を受けている女性からの相談が増えており、深刻な問題となっています。
 ○ 子ども
   家庭で親などによって行われる子どもへの虐待(身体的虐待、心理的虐待、性的虐待、保護の放棄又は怠慢)が大きな社会問題となっています。子どもを性の商品化する児童ポルノや買春も、子どもの人権に関する重要な問題で す。
   さらに、子どもたちの間のいじめや教師による体罰は依然として残っています。
 ○ 高齢者
   高齢者人口の増加に伴い、高齢者に対する人権の侵害が深刻になっています。
   介護を要する高齢者の増加に伴い、家庭や施設において身体的・精神的虐待を受けたり、財産を勝手に処分されてしまうなどの問題が起きています。
   また、就職を希望する高齢者が、年齢を理由として採用の対象とされない場合があります。
   東京は高齢者のみの世帯が増加していますが、高齢者は保証人を探すことが難しいことなどから賃貸住宅を利用しにくいという問題があります。
 ○ 障害者
   東京では交通機関や道路、建築物などのバリアフリー化が着実に進んできていますが、障害者が自由に行動でき、コミュニケーションをするためには、不十分であり、まだ多くのバリアがあります。
   障害者が職場や地域社会で差別を受ける例は少なくなく、入店を拒否されたり賃貸住宅への入居を拒否される場合もあります。また、働く場が十分確保されておらず自立が妨げられています。
   医療機関や施設における知的障害者などへの身体的拘束や虐待なども問題となっています。
 ○ 同和問題
   同和問題に関する差別意識は着実に解消に向けて進んでいますが、依然として差別意識は存在しており、差別落書やインターネットを利用して悪質な差別文書を流すなどの事例も起きています。
   また、就職に際して、差別につながるおそれの強い身元調査を行う企業もあります。
   なお、同和問題を口実として何らかの利益を得るために、不当な要求を行う「えせ同和行為」が後を絶たず、同和問題の解決の妨げとなっています。
 ○ アイヌの人々
   アイヌの人々はこれまでさまざまな差別を受けてきています。また、アイヌ民族固有の文化や伝統も多く失われてきました。
   東京にもアイヌの人々が暮らしていますが、アイヌの歴史や伝統、文化などについて正しく認識されていないための偏見があります。
 ○ 外国人
   東京には、在日韓国・朝鮮人をはじめ、多様な国籍や文化、生活習慣を持った多くの外国人が暮らしています。しかし、日本人の外国人に対する偏見に加え、賃貸住宅への入居の拒否や就労に関する差別、あるいは、外国人児童・生徒へのいじめやいやがらせ、差別発言など、外国人が生活する上で多様な問題が起きています。
 ○ HIV感染者等
   HIV感染者は年々増加しており、東京のHIV感染者は日本のHIV感染者の3分の1を占めています。中でも20代、30代の日本人男性の感染者が増加しています。しかし、この人々は、感染者であることが明らかになると退職を余儀なくされたり、施設への入所や診療を拒否される場合があります。
   また、ハンセン病の患者については、適切な治療により完治する病気であるにもかかわらず、依然として誤った知識や偏見が残っており、ハンセン病療養所入所者について社会復帰が困難であるという問題もあります。
 ○ 犯罪被害者やその家族
   最近、犯罪被害者やその家族の人権が大きな問題となっています。被害者やその家族は直接的な被害のみならず、精神面、生活面、経済面等においてさまざまな被害を受けており、その後の刑事司法過程において、いわゆる二次的被害を受けて精神的被害がさらに深くなる場合や、マスメディアの報道などによって人権が侵害される場合もあります。
 ○ その他の人権問題
   性同一性障害のある人々などに対する偏見があり、嫌がらせや侮べつ的な言動、雇用面における制限や差別、性の区分を前提にした社会生活上の制約などの問題があります。また、近年、同性愛者をめぐって、さまざまな問題が提起されています。
   犯罪の被疑者、その家族及び犯罪者の家族の名誉きそんやプライバシーの侵害、偏見の問題もあります。刑を終えて出所した人についても、偏見が住居の確保や就職を困難にしている問題があります。
   路上生活者(ホームレス)は、その自立を妨げるさまざまな要因があり、住居の確保はもちろん、就職が困難であるほか暴行を受けるなどの問題を抱えています。
   行政情報や顧客データ、医療カルテなどの個人情報の流出や漏えいによる、個人のプライバシーの侵害が生じています。プライバシーの問題は都民が安心して社会生活を営む上で、さまざまな問題を提起しています。
   さらに、環境を人権の観点からとらえる動きや知る権利、自己決定権にかかわる問題などが新しい人権として主張されるようになってきています。
   今後、さまざまな人権問題を解決していく視点から、論議を深める必要があります。

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第3章 指針の基本的な考え方

1 人権施策の基本理念
  東京都が推進する人権施策の基本理念は、人間の存在や尊厳が脅かされることなく、自らを律する自立した個人が、権利行使に伴う責任を自覚し、共存と共感で相互に支え合い、都民が世界に誇れる東京をつくることです。

2 人権施策がめざす東京の方向
 ○ 安心して暮らせる東京
   人間の存在や尊厳を脅かす災害や犯罪などから人々を守るとともに、誰もが自由に行動し、コミュニケーションができる、安全に、安心して暮らせる東京をつくります。
 ○ 自由を享受できる東京
   個人が自由に希望に挑戦することで、新しい価値を創造する多様性と独創性を発揮し、社会的責任を果たすことができる東京をつくります。
 ○ 機会の平等を約束する東京
   性別や年齢、障害、社会的身分・門地、民族、国籍等にかかわりなく社会に参画し、その個性と能力を十分に発揮できる東京をつくります。
 ○ 自律・自立性に基づく人間の存在や尊厳を守る東京
   自由に選択し行動する自律・自立した個人が、社会の連帯の力で人間の存在や尊厳を守るためのセーフティネットがある東京をつくります。
 ○ 国際的に魅力ある東京
   首都東京が世界都市として国際的な魅力やけん引力を高めるため、人権を守る東京をつくります。

3 人権施策展開の考え方
(1) 公共性の視点
   現在、多くの人が人権について知識や関心を持つようになってきました。しかし、人権についての正しい理解が必ずしも定着しているとはいえません。そのため、他の人の人権や公共の利益に対する配慮をしないで自分の人権だけを主張することからさまざまな問題が生じています。また、当事者双方が自分の人権を主張し合う「人権と人権の衝突」といわれる問題も生じています。
   人権の尊重の理念には、他の人の人権や公共の利益との調和を図ること、すなわち公共性の考え方が含まれていることを踏まえて、人権施策を推進します。

(2) 総合的な仕組みによる推進
   都では、これまで女性や子ども、障害者、同和問題などを解決するためにそれぞれの課題ごとに、その問題が抱える固有の経過と状況を踏まえて施策を講じてきました。しかし、現在の人権問題はそれぞれの課題が複雑に絡み合ったり、新しい問題が生じたり、複雑化、多様化してきています。このため、これまでのように課題ごとの施策だけでは十分に対応できなくなってきました。
   人権侵害への直接的な対処のみならず、社会的な気運の醸成や都民・企業等の意欲を生かすための基盤づくりなど、人権問題の解決に共通する観点による総合的な取組を展開していく必要があります。
   すでに施策を講じている課題については、この指針の基本理念に沿って、それぞれの施策体系のもとで必要な施策を実施します。
   課題が複雑に絡み合ったり、これまでの施策と手法では対応できない新しい問題については、救済・保護、啓発・教育、支援・助成の三つの観点から人権施策を推進します。

 ○ 救済・保護
   現に人権侵害が行われていたり、行われるおそれがある状況に適切に対応するため、民間との連携も視野に入れて人権を守るための仕組みをつくります。
 ○ 啓発・教育
   人権の意義と価値、人権に配慮した態度や行動を社会の共通認識として、浸透させるための基盤づくりを行います。
 ○ 支援・助成
   行政は、財政的な支援だけでなく、広くさまざまな手法やシステムを工夫し、都民やNPO、企業などの参画により、広く社会の連帯の力で人権を支える仕組みをつくっていきます。

(3) 都民、NPO、企業等の参画
   行政は、個人の力に着目し、個人の力を強化し、その発意を援助することを基本として人権施策を推進します。
   都民やNPO、企業等の多様で多角的な社会参画を通じて、社会の連帯の力で、都市社会のセーフティネットとしての人権施策を支えていきます。
   また、人権施策を効果的かつ効率的に推進する観点から、民間と行政との適切な役割分担を確立し、都民等と行政との新しいパートナーシップをつくっていきます。
   さらに、人権尊重の理念を社会に広く浸透させるため、企業の社会貢献への意欲や人権にかかわる事業展開への意欲に結びつけるような条件づくりを行います。

4 施策の評価と見直し
  人権施策を実効あるものとするため、都が行う人権施策について、社会環境の変化を踏まえて、その効果等に関する評価・検討を行い、これを施策の一層の充実に活用していきます。
  その際、都民の満足度を重要なポイントとして、施策の達成度を評価するわかりやすい施策指標を研究・開発します。

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第4章 指針の推進

1  東京都の推進体制
(1) 庁内の推進体制
   他の行政施策との整合性、連携を図りつつ、個別施策や個別人権の枠組みを超えて、全庁的な人権施策の推進体制を整備します。
   また、限られた行財政資源の有効活用を図りつつ、啓発や研修などの共通する課題や新しい人権課題への対応など、指針を総合的に推進するためのプロジェクト組織を設置します。

(2) 財団法人東京都人権啓発センター
   財団法人東京都人権啓発センターは、東京都、区市町村、NPO等の各実施主体の連携協力を側面から支援し、公正・中立な立場から、積極的かつ効果的な啓発活動を推進していくことが期待されています。
   今後、人権啓発施策を効果的に展開するためには、人権情報の発信機能、人権諸機関やNPO等との交流機能の強化が必要です。

2 国及び自治体との連携
(1) 区市町村との連携
   住民にとって身近な自治体である区市町村は、人権にかかわる、さまざまな施策を行っています。今後、さらに人権教育を含む人権施策の推進に大きな役割が期待されています。
   東京都及び区市町村は、住民サービスを充実する観点から、適切に役割分担し、情報を共有しつつ、連携を図っていきます。また、同様の観点から、区市町村相互の連携の促進を支援します。

(2) 国及び近隣県市との連携
   人権問題は行政区域を越えて発生する場合があります。都県境を越えて東京圏全体の広域的な対応が求められる人権問題については、国及び近隣県市と協力する必要があります。そのため、国及び近隣県市と連携した広域的な体制を強化していきます。
   さらに、国に対して制度・財政面での適切な取組を求めることにより、施策を推進する必要があります。

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第2部 人権施策の具体的な取組

<人権施策の体系>

        +−人権相談への対応
+−救済・保護−+−救済・保護機能の充実
|       +−地域との協力体制の推進

|             +−都民・企業等への啓発
|       +−啓発−−+−NPO・企業等の啓発活動支援
|       |     +−啓発手法等の開発
|       |
|       |     +−学校教育における人権教育の推進
+−啓発・教育−+−教育−−+
|       |     +−社会教育における人権学習の推進
|       |
|       |     +−職務に応じた人権研修等
|       +−研修−−+
|             +−人権に配慮した職務の遂行

|       +−社会的弱者・少数者の自立支援
+−支援・助成−+−多様な主体の連携・協働の推進
        +−企業・NPO等の自主的な取組支援
        +−人権施策への民間活力の導入

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第1章 救済・保護

 都は、現に人権が侵害されたり、侵害されるおそれがある人に対し、解決のための助言をしたり、一時的に保護するなど、人権を回復するための救済・保護にかかわる施策を展開していきます。

1 現状
  人権に関する相談機関等の多くは個別課題ごとの対応にとどまり、多様化・複雑化する人権問題に、迅速かつ総合的に対応することが困難な場合があります。また、相談機関から保護機関への連携が必ずしも十分ではありませ ん。
  効果的な救済・保護施策を講じていくためには、相談機関・保護機関の具体的な連携、さらに、相談機関の多くを占めるNPO等と公的機関との連携・協働が必要とされます。
  また、最終解決には裁判に委ねる問題もありますが、現行の法制度では多くの時間や労力を要するため、個人の負担が比較的少なく、迅速な問題解決に有効な仕組みを求める声もあります。

2 施策展開の基本的な考え方
  人権に関する相談機関や保護機関との連携や調整を図り、都民の利用しやすい相談・保護ネットワークを構築し、相談・保護機能の充実を図っていきます。ネットワークの手法を活用し、対応の遅れや空白が生じないようにします。問題の早期発見、早期対処に努めるとともに、必要に応じて施策を強化し、都民が安全で、安心して暮らせる地域社会づくりに貢献します。
  また、機動力や独自のノウ・ハウなどを持つNPO等と連携・協働していきます。
  さらに、人権侵害に対する調整・調停など新たな救済・保護の手法等についても、調査研究を進めていきます。

3 施策の体系
+−−++−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|課題||施 策           ||事 業               |
+−−++−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
+−+   +−−−−−−−−−−−+
|人| +−+相談機関等ネットワーク+−+−1 東京人権ネットワーク(仮称)の構築
|権| | |の構築        | +−2 各人権分野におけるネットワーク
|相| | +−−−−−−−−−−−+
|談| |
|へ+−+
|の| | +−−−−−−−−−−−+
|対| +−+トータルコーディネート+−+−1 トータルコーディネート部門の設置
|応|   |部門の設置      | +−2 コーディネーターの養成
+−+   +−−−−−−−−−−−+ +−3 人権相談の充実

      +−−−−−−−−−−−+
    +−+相談機関と保護機関等と+−−−1 東京人権ネットワーク(仮称)の構築
    | |の連携        |
+−+ | +−−−−−−−−−−−+
|救| |
|済| | +−−−−−−−−−−−+
|・| +−+一時保護機能と自立等 +−+−1 自立支援検討会(仮称)の設置
|保| | |支援の充実      | +−2 各人権分野における自立等支援
|護| | +−−−−−−−−−−−+
|機+−+
|能| | +−−−−−−−−−−−+ +−1 児童養護施設サービス評価事業
|の| +−+施設等利用者サービスの+−+−2 東京都心身障害者(児)入所施設サービス評価事業
|充| | |充実         | +−3 高齢者福祉サービス利用者保護制度
|実| | +−−−−−−−−−−−+
+−+ |
    | +−−−−−−−−−−−+
    +−+救済・保護手法の研究 +−−−1 救済・保護手法の研究
      +−−−−−−−−−−−+

+−+
|地|   +−−−−−−−−−−−+
|域| +−+ 地域に密着した救済・+−+−1 区市町村等との協議の場の設置
|と| | | 保護機能の強化   | +−2 相談機関等支援
|の| | +−−−−−−−−−−−+ +−3 各人権分野における救済・保護
|協+−+
|力| |
|体| | +−−−−−−−−−−+
|制| +−+NPO等との協働  +−+−1 相談機関等情報の提供
|の|   +−−−−−−−−−−+ +−2 人材育成の支援
|推|                +−3 東京ボランティア・NPOとの協働に関する検討委員会
|進|                +−4 エイズボランティア講習会等
+−+

課題1 人権相談への対応

 (1)相談機関等ネットワークの構築
    民間を含む、相談及び保護機関を横断する総合的なネットワークを構築し、実効性の高いサービスを提供できる仕組みをつくります。

 ・事業内容
  1 東京人権ネットワーク(仮称)の構築
    各人権分野における相談機関等を横断する事案に、機動的で的確に対応するため、相談機関及び救済・保護機関をむすぶ「東京人権ネットワーク(仮称)」を構築します。
    ネットワーク化によって、各機関の業務に必要な情報を総合的に収集し、都民や関係機関が、携帯電話等を利用して、質の高い信頼性のある情報をいつでも、どこでも入手できるようにします。
    また、相談及び救済・保護の各専門機関が相互に協働するための仕組みをつくり、インターネットなどを活用した相談システムを導入するなど、相談者それぞれの状況に応じて、サービスをより的確・迅速に提供できるようにします。【所管:総務局】

  2 各人権分野におけるネットワーク
    「東京人権ネットワーク(仮称)」と連携し、各機関の事業を充実するための連絡体制を強化します。
   (1) 家庭等における暴力問題対策連絡会議の運営
     家庭等における暴力の実態等を把握し、暴力の回避や被害者の救済等を図るため、「家庭等における暴力問題対策連絡会議」を設置し、事案への対応に当たっての問題点と今後の取組を検討します。その成果を踏まえて施策を推進します。【所管:生活文化局】
   (2) 東京都児童相談機関連絡協議会の運営
     各児童相談機関の専門的機能を相互に補完することにより、児童問題の予防及び早期の対応を図ります。そのため、協議会において、公開講座の開催、啓発活動や研究のための委員会を運営します。【所管:福祉局】
   (3) 外国人相談ネットワークの充実
     外国人の生活全般の問題に対する相談機能を充実するため、相談機関相互の情報やノウハウの共有化を進めます。そのため、関係部局で構成する「外国人相談連絡会」を開催し、情報交換等を行います。【所管:生活文化局】
   (4) 東京都犯罪被害者支援連絡会の運営
     犯罪被害者及びその家族が抱える精神的、身体的、経済的問題等に対して、関係機関・団体が相互に協力・連携し、被害者の支援、被害の回復・軽減、再発防止等の施策を効果的に推進していきます。そのため、情報交換、相互協力、普及啓発・広報等の活動を展開します。
   【所管:警視庁】

 (2)トータルコーディネート部門の設置
    相談機関等のネットワークを効率的に機能させるため、各機関の対応力を強化するとともに総合調整を支援する、トータルコーディネート部門を設置します。

 ・事業内容
  1 トータルコーディネート部門の設置
    「東京人権ネットワーク(仮称)」の円滑で効率的な運営を推進するため、その中軸としての役割を担うトータルコーディネート部門を設置します。
    トータルコーディネート部門には、人権全般に関する幅広い知識等を有するコーディネーターを配置し、相談者の相談に迅速かつ的確に対応できるよう、情報提供や助言、各機関業務の相互調整等を支援します。
    また、ネットワークの機動力を十分に発揮し、相談機関等に関する情報を収集し、各機関等に対して信頼性の高い最新の情報を提供します。
    さらに、相談事例の研究や新たな課題に迅速に対応するための体制を整備します。
   【所管:総務局】

  2 コーディネーターの養成
    トータルコーディネート部門の業務が効果的に機能するよう、各相談機関等において、他の機関との連絡調整等の役割を担うコーディネーターを養成します。【所管:総務局】

  3 人権相談の充実
    トータルコーディネート部門と連携して、総合調整機能の強化と実効性の向上を図るため、人権全般にわたる相談事業を行います。
   (1) 財団法人東京都人権啓発センターの相談機能の充実
     人権にかかわる相談窓口である、財団法人東京都人権啓発センターの相談機能を充実・強化します。【所管:総務局】
   (2) NPO等の活用
     専門知識やノウハウを備えたNPO等の相談機能を活用していきます。【所管:総務局】

  課題2 救済・保護機能の充実

 (1)相談機関と保護機関等との連携
    相談機関と保護機関等とのネットワークを構築し、被害の発生防止や軽減等に向けて、各機関が機動性を発揮できるよう環境を整えていきます。

 ・事業内容
  1 東京人権ネットワーク(仮称)の構築 (再掲)【所管:総務局】

 (2)一時保護機能と自立等支援の充実
    人権侵害を受けている女性、子ども等の緊急な相談に応じ、一時的な保護や自立に向けた支援事業を推進します。
    また、被害者を支援するための施策のあり方等について研究を行います。

 ・事業内容
  1 自立支援検討会(仮称)の設置
    救済・保護機関が一時保護施策のあり方の調査・研究、相談事例に関する情報交換等を行うための体制を整備し、NPOや経済団体等の協力を得ながら、被害者の自立支援の充実に向けた研究を行います。 【所管:総務局】

  2 各人権分野における自立等支援
    トータルコーディネート部門と連携しつつ、個人の自立に向けて分野別の人権施策を展開します。
   (1) 東京都女性相談センター事業
     緊急の保護又は自立のための援助を必要とする女性及びその者の監護する児童に対し、生活各般の相談、指導及び援護を行うことにより、その福祉の増進を図ることを目的とします。
     また、売春防止法の規定に基づく婦人相談所の機能を有し、要保護女子への援助も行っています。【所管:福祉局】
   (2) 児童相談センター及び児童相談所の運営
     18歳未満の児童に関する問題について、家族その他からの相談に応ずること、また、緊急に保護を要する子どもの一時保護や、通所による指導援助などを行うとともに、児童虐待対策事業として、児童虐待ケースマネジメント事業、児童相談所の土曜日の開庁など施策の充実を図ります。【所管:福祉局】
   (3) 高齢者緊急相談センターの運営委託
     生活上の諸問題をかかえている高齢者に対して、福祉事務所、社会福祉法人等関係機関と連携しながら緊急の相談、助言及び指導、宿泊等の援助を行い、高齢者の生活の安定、向上等を図ります。【所管:高齢者施策推進室】
   (4) 犯罪被害者への支援事業
    ○ 東京都犯罪被害者支援連絡会の運営 (再掲)【所管:警視庁】
    ○ 社団法人被害者支援都民センターとの連携及び補助
      犯罪被害者の被害の回復及び軽減を図るため、相談業務、医療機関や法廷などへの付添い、自宅訪問等の短期的事業のほか、長期的な視点からの支援を行っている同センターと連携して支援活動を展開します。【所管:警視庁】
    ○ 犯罪被害者ホットラインの運営
      重傷害事件や性的犯罪被害者等の精神的な被害の軽減、潜在化している犯罪被害の申告を促進するため電話相談を行います。【所管:警視庁】
    ○ 生活安全相談センター開設及び相談体制強化
      防犯や家事、民事等の相談に積極的に対応し、指導・助言を行うとともに、悪質なストーカー行為、家庭内等暴力などの重要事案に迅速・的確な対応を推進します。
    【所管:警視庁】
    ○ ストーカー対策の推進
      相談体制の強化など、被害の発生防止及び被害者の自由と人権を擁護する体制を強化します。【所管:警視庁】
    ○ 初期支援要員の指定
      殺人事件や強姦事件等の被害者や家族に対して、事件認知直後から付き添って、被害状況聴取、病院手配、カウンセラー紹介や家族への連絡を行うほか、病院に同行して、医師に状況説明を行うなど、被害者を支援するための初期支援要員を指定します。
     【所管:警視庁】
   (5) 路上生活者対策
     路上生活者等のうち保護を必要とする者に対して、冬期臨時宿泊施設事業を都区共同で実施しているほか、区・市が実施する応急援護事業、更生施設利用者等自立生活援助事業、更生施設整備費などに補助を実施しています。
     また、路上生活者の就労による自立を支援するため、特別区と共同で、「路上生活者自立支援センター」を設置します。【所管:福祉局】

 (3)施設等利用者サービスの充実
    具体的なサービス評価の基準に基づき、施設入所者あるいは在宅者に対するサービスの質・水準の評価を実施し、利用者の権利を守り、サービスの向上を図っていきます。

 ・事業内容
  1 児童養護施設サービス評価事業
    具体的なサービス評価基準に基づき、施設の入所児童に対するサービスの質・水準を評価することにより、施設サービスの向上を図るとともに、入所児童の権利を擁護します。
   【所管:福祉局】

  2 東京都心身障害者(児)入所施設サービス評価事業
    利用者のサービス選択・利用を支援する仕組みをつくり、施設入所者の生活の質を高め、地域に開かれた施設づくりを目指して、施設サービスを第三者が点検・調査し、改善勧告や権利擁護に当たる施設オンブズパーソンを設置します。【所管:福祉局】

  3 高齢者福祉サービス利用者保護制度
    高齢者が介護保険制度の下で、安心して良質なサービスを利用できるよう、利用者保護制度やサービス評価等についての検討を行います。【所管:高齢者施策推進室】

 (4)救済・保護手法の研究
    多様化・複雑化する人権問題に対して、都民の負担が少なく、迅速な解決に結びつく、新たな調整・調停の手法について研究します。

 ・事業内容
  1 救済・保護手法の研究
    新たな調整・調停の手法について、調査・研究を進めます。【所管:総務局】

  課題3 地域との協力体制の推進

 (1)地域に密着した救済・保護機能の強化
    区市町村は、人権問題の解決のため、さまざまな取組を行っています。都は、効果的かつ効率的に人権問題の解決を図るため、 区市町村との連携を進めていきます。

 ・事業内容
  1 区市町村との協議の場の設置
    相談者等のニーズに即して、人権問題が迅速で的確に解決されるシステムをつくっていくため、区市町村との協議の場をつくっていきます。【所管:総務局】

  2 相談機関等支援
    区市町村や民間の相談機関等の機能充実とネットワークの効果的な運用を推進するため、人権問題や情報・広報技術に関する研修会を実施します。【所管:総務局】

  3 各人権分野における救済・保護
    高齢者や障害者、子ども等が、地域で安心して暮らしていけるよう、新しい仕組みによる施策を実施します。

   (1) 精神障害者権利擁護・財産管理相談援助サービス
     区市町村等と連携して、意思能力が十分でないため、自らの財産管理や社会生活上の事柄に関して権利侵害を受けやすい知的障害者、痴呆性高齢者、精神障害者の権利侵害に係る相談を受けるとともに、援助や助言等を行います。【所管:高齢者施策推進室・衛生局】
   (2) ひとり暮らし高齢者等入居身元保証人制度検討
     民間賃貸住宅の入居に際し、必要となる身元保証人の制度化について検討し、高齢者の住宅を確保します。【所管:高齢者施策推進室】
   (3) 介護保険に関する苦情解決専門員への支援
     区市町村が介護保険サービスに関して、苦情解決専門員(施設オンブズパーソン)を設置し、利用者の苦情解決を図る事業について、支援します。【所管:高齢者施策推進室】

   (4) 児童虐待対応強化事業
     児童虐待に適切に対応するため、児童相談所に、児童虐待に関する調査及び区市町村等関係機関との連絡調整を行う、児童虐待対応協力員を配置します。児童相談センターに虐待対策課を設置し、各児童相談所で土曜日の開庁を実施します。【所管:福祉局】

 (2)NPO等との協働
    NPO等が行っている専門相談等への支援を進めるとともに、民間の相談・保護機関との連携・協働を進めていきます。

 ・事業内容
  1 相談機関等情報の提供
    NPO等の専門相談機能の充実等を支援するため、「東京人権ネットワーク(仮称)」に連動して情報を活用できるようにします。【所管:総務局】

  2 人材育成の支援
    相談者の人権問題等に的確に対応できる人材等の育成を支援するため、NPO等の要望に応じて研修会等を開催します。 【所管:総務局】

  3 東京都ボランティア・NPOとの協働に関する検討委員会
    行政が市民活動との協働を推進し、市民活動促進に向けた環境整備を図るため検討委員会を開催します。【所管:生活文化局】

  4 エイズボランティア講習会等
    エイズ問題に取り組んでいるボランティア団体の相談活動等の充実を図るため、活動への参加者を対象に講習会を開催し、カウンセリング技法や医学情報の提供を行っています。また、ボランティア団体と行政とが協働していくためのネットワークの形成に向けて東京エイズ相談連絡会を開催します。【所管:衛生局】

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第2章 啓発・教育

1 啓 発
  人権尊重の理念を社会に定着させ、人権の意義が広く社会に浸透するように啓発を実施します。
  啓発に当たっては、都民一人ひとりに、人権の意義やその重要性が理解され、自分の人権だけでなく他人の人権も大切にすることや、権利行使に当たって自分の行動に責任を持つことなどの意識が、日常的な態度や行動に現れるよう効果的に行っていきます。

 (1) 現状
   人権に関する啓発活動は、都をはじめ、地域に密着した行政を担う区市町村、人権の専門分野において大きな役割を果たしてきたNPOなど、さまざまな実施主体が行っています。
   しかし、これまでの行政の啓発活動は、知識の普及に偏りがちであったり、一方通行が多く、また、他の実施主体との連携が不十分な面がありました。
   企業等は、その活動を通じて都民生活に深くかかわっており、啓発を効果的に進めるうえで重要な役割が期待されますが、啓発の担い手となるような行政からの働き掛けが十分ではありませんでした。
   こうしたことから、人権に関する都民の関心が高いにもかかわらず、人権尊重の理念を日常の態度や行動に十分に根付かせるまでには至っていません。

 (2) 施策展開の基本的な考え方
   都は、区市町村への情報提供などを充実するとともに、区市町村と連携、協力して啓発を進めます。また、NPOや企業などが啓発の主体として、行政と相互に連携・協働して啓発を進めることができるよう支援します。
   啓発の手法については、法の下の平等、個人の尊重といった普遍的視点からアプローチする方法と、「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画で重要課題とされている女性、子ども、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人、HIV感染者等、刑を終えて出所した人に加え、犯罪被害者やその家族、性同一性障害のある人々などの人権課題を視野に入れた、個別的な視点からアプローチする手法とを組み合わせて効果的な啓発を行います。
   さらに、双方向の啓発手法や都民の感性に訴える手法等を研究開発します。
   また、対象となる人々に合わせた啓発や、マスメディアなど多様な媒体を活用した啓発を行っていきます。
   人権啓発は、都民一人ひとりの心のあり方にかかわるものであり、施策の展開に当たっては、押しつけにならないように留意しながら啓発活動を展開します。

 (3) 施策の体系
  +−−++−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−+
  |課題||施 策           || 事 業           |
  +−−++−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−+
  +−+   +−−−−−−−−−−−+
  |都| +−+都民への啓発     +−+−1 啓発行事の実施
  |民| | +−−−−−−−−−−−+ +−2 啓発資料の作成
  |・| |
  |企| | +−−−−−−−−−−−+
  |業+−+−+企業等への啓発    +−+−1 業界団体に対する啓発
  |等| | +−−−−−−−−−−−+ +−2 経営者等に対する啓発
  |へ| |
  |の| | +−−−−−−−−−−−+
  |啓| +−+人権啓発の拠点の整備 +−−−1 人権啓発の拠点整備
  |発|   +−−−−−−−−−−−+
  +−+
  +−+
  |N|
  |P|
  |O|   +−−−−−−−−−−−+
  |・| +−+人権啓発リーダーの養成+−−−1 人権啓発リーダー養成講座
  |企| | +−−−−−−−−−−−+
  |業| |
  |等| |
  |の+−+
  |啓| |
  |発| |
  |活| | +−−−−−−−−−−−+
  |動| +−+人権啓発の手引等の作成+−+−1 人権啓発の手引書の作成
  |支|   +−−−−−−−−−−−+ +−2 人権啓発資料の作成
  |援|
  +−+
  +−+
  |啓|
  |発|
  |手|   +−−−−−−−−−−−+
  |法+−−−+啓発手法等の開発   +−−−1 啓発手法等の研究会の設置
  |等|   +−−−−−−−−−−−+
  |の|
  |開|
  |発|
  +−+

 課題1 都民・企業等への啓発

 (1)都民への啓発
    効果的な啓発事業を推進するため、都民の興味や関心度、理解度に応じて人権に関する行事、人権啓発資料の作成、人権に関する情報の提供などを行います。

 ・事業内容
  1 啓発行事の実施
   (1) 総合的な人権啓発事業
     国、区市町村、NPO等との多角的な連携ネットワークを中心とした、憲法週間、人権週間にかかわる行事、人権啓発フェスティバル行事等を実施します。【所管:総務局】
   (2) 各人権分野における事業
     啓発効果を高めるうえで、総合的な人権啓発と連動して、専門的な分野からの啓発事業を展開していきます。
    ○ 犯罪被害者支援のための啓発活動
      被害者支援ネットワーク等を通じた啓発活動、東京都犯罪被害者支援連絡会や警察署レベルの被害者支援ネットワーク等を通じて、被害者の現状や支援の必要性について認識を深めるほか、被害者支援のための啓発活動を行います。所管:警視庁】
    ○ 地域の国際化セミナーの開催
      都、地域国際交流協会、NGO・NPOが企画の段階から連携し、国際交流・協力に加え外国人の人権等をテーマにしたセミナー等の啓発を行います。【所管:生活文化局】
    ○ 障害者との交流事業
      都民の理解と認識を一層深めるため、障害を持つ人持たない人が同じ経験を通じてふれあう場として、ふれあい祭典・コンサートなどを実施します。【所管:福祉局】
    ○ エイズ予防月間キャンペーン
      感染予防と患者や感染者が安心して生活できる社会の実現に向けて、キャンペーン活動を実施します。【所管:衛生局】
    ○ ハンセン病を正しく理解するための週間
      ハンセン病患者・家族支援事業の一環として、ハンセン病や患者、元患者への偏見や差別をなくすため啓発を行います。【所管:衛生局】
   (3) 人権問題都民講座
     都民を対象に講座を開催し、人権問題についての正しい理解と認識を深めます。【所管:総務局】
  2 啓発資料の作成
   (1) 人権啓発資料等検討会
     人権啓発を効果的に進めるための、資料について総合的に検討していきます。【所管:総務局】
   (2) 総合的な人権啓発資料の作成等
    ○ 総合的な人権に関する資料の作成
      普遍的な視点、個別的視点に立って総合的な啓発資料を作成します。【所管:総務局】
    ○ 「広報東京都」等による啓発
      人権問題の特集記事、テレビ・ラジオのスポットなどによって啓発します。【所管:政策報道室】
    ○ 「TOKYO人権」の発行
      特集記事による啓発や人権情報を提供します。【所管:総務局】
    ○ 福祉のまちづくりの普及・推進
      バリアフリーのまちづくりを推進するため、パンフレットやマニュアル等を作成します。【所管:福祉局】
   (3) 各人権分野における啓発資料
     総合的な人権啓発と有機的に連携して、啓発効果を高めるため、女性、子ども、障害者、同和問題、アイヌの人々、外国人など分野別啓発資料を作成します。【所管:関係各局】

 (2)企業等への啓発
    都は関係機関の協力を得ながら、人権尊重の理念にそった事業活動を展開するよう、企業・業界団体等に対して啓発を行います。

 ・事業内容
  1 業界団体に対する啓発
   (1) 人権問題研修
     NPOや企業等が行う人権研修に、講師を派遣して研修の実施を支援します。【所管:総務局】
   (2) 企業向け人権啓発冊子の発行
     人権が尊重される職場を目指して啓発冊子を発行します。【所管:労働経済局】
   (3) 就職差別解消促進月間事業
     就職差別解消促進月間を設定し、国と連携して、就職差別をなくすための啓発を行います。【所管:労働経済局】
   (4) 不動産業界に対する研修
     障害者、高齢者、外国人など社会的弱者・少数者への民間賃貸住宅への入居の機会が制約されることがないように、不動産業界に対して啓発を行います。【所管:住宅局】
  2 経営者等に対する啓発
   (1) トップセミナーの開催
     企業の経営者や各種業界団体の役員等を対象にしたセミナーを開催します。【所管:総務局】
   (2) 私立学校への啓発
     公正な入学者選抜が行われ、また、就職における公正な採用選考が確保されるよう、各私立学校の理事長・校長、私学団体に対して啓発を行います。【所管:総務局】

 (3)人権啓発の拠点の整備
    人権問題にかかわる啓発等を効果的に進めるため、拠点となる施設を整備・運営します。

 ・事業内容
  1 人権啓発の拠点整備
    人権や人権問題に関する啓発及び情報を収集・提供するとともに、人権問題に関心を持つ都民が活動・交流できる機能などを備えた、「人権啓発の拠点」となる施設を整備します。【所管:総務局】

 課題2 NPO・企業等の啓発活動支援

 (1)人権啓発リーダーの養成
    NPOや企業等の中で行う啓発活動を支援するため、人権啓発のリーダーを養成します。

 ・事業内容
  1 人権啓発リーダー養成講座
    NPOや企業等の中できめ細かい啓発活動を行えるよう、リーダー養成講座を開催します。【所管:総務局】

 (2)人権啓発の手引等の作成
    NPO・企業等が行う啓発活動を支援するため、人権啓発のリーダーが使用できる手引や人権問題の研修等で使用できるテキストを作成します。

 ・事業内容
  1 人権啓発の手引書の作成
    NPO・企業等が啓発事業を実施する際の人権啓発リーダーの手引書を作成します。【所管:総務局】
  2 人権啓発資料の作成
   (1) 人権啓発テキストの作成
     研修・講座等で使用するテキストを作成します。【所管:総務局】
   (2) 青少年指導者向け資料の作成
     青少年育成地区委員を対象に、資料「人権尊重の社会」を作成します。【所管:生活文化局】

 課題3 啓発手法等の開発

 (1)啓発手法等の研究・開発
    効果的、効率的な啓発活動を行うため、双方向の啓発手法やマスメディアの活用などについて、研究・開発します。

 ・事業内容
  1 啓発手法等の研究会の設置
    啓発手法を研究・開発する研究会を設置します。【所管:総務局】

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2 教育
  人権尊重の理念を社会に定着させ、人権の意義が広く社会に浸透するよう、学校教育や社会教育等を通じて人権教育を効果的に進めます。

 (1) 現状
   これまでの人権教育は、学校教育及び社会教育等を通じて、人権の意義やその重要性が一人ひとりに知識として確実に身につき、日常生活において人権への配慮が、態度や行動に現れるような人権感覚の育成に努めてきました。
   しかし、ともすれば単に知識の理解にとどまり、実際の行動につながりにくいということ、また、教員や指導者には、人権尊重の理念について必ずしも十分に認識しているとは言えない者も見られること、などの問題が指摘されています。

 (2) 施策展開の基本的考え方
   人権尊重の理念が、都民に正しく理解されるよう、異なる文化、慣習、価値観等を理解し尊重しあうとともに、権利行使に伴う責任を自覚し、人への思いやりが実際の行動につながるような教育を目指します。
   教育の内容については、法の下の平等や個人の尊重といった普遍的な視点からのアプローチと、女性、子ども、高齢者、障害者、同和問題、アイヌの人びと、外国人、HIV感染者等など、個別的で具体的な視点からのアプローチを適切に組み合わせた人権教育を実施することによって、人権尊重の理念の理解を深めていきます。
   教育の方法については、幼児から高齢者までの幅広い対象に合わせて、家庭、学校、地域社会における普段の生活の経験などの身近な問題を取り上げたり、さまざまな人たちとの交流や対話の機会を作る交流型、参加型の体験学習を取り入れたり、見学や調査を行うなど、多様な手法を用いて一人ひとりの学習意欲に働きかけていきます。
   指導者については、教育関係者だけでなく、人権に関して深い理解のある人を活用するとともに、専門的な知識や能力を育成する研修や講座を開催して指導者層を充実することにより、家庭、学校、地域社会における教育を支援していきます。
   なお、人権に関する教育は、一人ひとりの心のあり方に密接にかかわるため、押し付けにならないようにする必要があります。

 (3) 施策の体系
  +−−++−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−+
  |課題||施 策            ||事 業             |
  +−−++−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−+
  +−+   +−−−−−−−−−−−+
  |学| +−+人権教育の研究推進  +−+−1 人権教育の研究推進
  |校| | +−−−−−−−−−−−+ +−2 区市町村教育委員会との連携・協力
  |教| |
  |育| | +−−−−−−−−−−−+
  |に| +−+人権尊重教育推進校など+−+−1 人権尊重教育推進校の設置
  |お| | |の設置        | +−2 男女平等教育推進校等の設置
  |け| | +−−−−−−−−−−−+ +−3 人権尊重教育推進校委員会等の設置
  |る+−+
  |人| | +−−−−−−−−−−−+
  |権| +−+人権教育の普及啓発  +−+−1 教員用指導資料の作成
  |教| | +−−−−−−−−−−−+ +−2 児童・生徒用学習資料の作成
  |育| |               +−3 人権尊重教育資料センターの運営
  |の| |
  |推| | +−−−−−−−−−−−+
  |推| +−+教育相談等の実施   +−+−1 総合教育相談や不登校等への対策
  +−+   +−−−−−−−−−−−+ +−2 スクールカウンセラーの配置等
  +−+
  |社|
  |会|   +−−−−−−−−−−−+
  |教| +−+人権学習の普及啓発  +−−−1 人権啓発資料の作成
  |育| | +−−−−−−−−−−−+
  |に| |
  |お| | +−−−−−−−−−−−+
  |け+−+−+人権学習の指導研修  +−+−1 社会教育関係職員及び社会教育関係団体指導者の研修等
  |る| | +−−−−−−−−−−−+ +−2 人権学習推進のための研究
  |人| |               +−3 人権学習研究奨励事業
  |権| |
  |学| | +−−−−−−−−−−−+
  |習| +−+人権学習の促進    +−−−1 人権学習促進のための区市町村補助事業
  |の|   +−−−−−−−−−−−+
  |推|
  |進|
  +−+

 課題1 学校教育における人権教育の推進

 (1)人権教育の研究推進
    都の実態や個別の人権課題に即した人権教育の研究を推進します。また、区市町村教育委員会の取組に対して積極的な支援を行い、都と区市町村教育委員会が一体となって人権教育を推進します。

 ・事業内容
  1 人権教育の研究推進
   (1) 各人権分野における研究協議会
     校長、教員等が、さまざまな人権課題に対し理解と認識を深めるための研究・協議を行います。【所管:教育庁】
   (2) 人権教育研究奨励等事業
     人権教育に関する基礎的・実践的な研究を行う教員等の研究活動を支援します。【所管:教育庁】
  2 区市町村教育委員会との連携・協力
    都と区市町村教育委員会による男女平等教育、国際理解教育及び同和教育の推進などに関する委員会を設置し、教育委員会相互の連携を深め、人権尊重を基盤とした教育を推進します。
    また、学校不適応への対策、在日外国人児童・生徒に関わる教育課題について、連絡協議会による検討や協議を行い、課題の解消や指導等の充実を図ります。【所管:教育庁】

 (2)人権尊重教育推進校などの設置
    都の実態に即した人権教育を研究・実践し、その成果を広く全都の学校に役立てるため、人権尊重教育推進校等を設置します。

 ・事業内容
  1 人権尊重教育推進校の設置
    学校や地域における人権尊重の意識を高め、同和問題をはじめさまざまな人権課題にかかわる差別意識の解消を図るための教育を一層充実します。【所管:教育庁】
  2 男女平等教育推進校等の設置
   (1) 男女平等教育推進校
     男女平等教育のあり方を実践的に研究し、男女平等教育の推進に役立てます。【所管:教育庁】
   (2) 心身障害児理解教育地域推進校
     都立盲・ろう・養護学校の専門的機能等を活用し、交流教育の拡充を図るなど、各地域における心身障害児理解教育を充実します。【所管:教育庁】
   (3) 交流教育地域推進事業
     都立盲・ろう・養護学校が、幼稚園、小・中・高等学校や地域社会と多様な交流活動を展開し、地域理解推進のあり方を研究します。【所管:教育庁】
   (4) エイズ教育(性教育)推進地域指定事業
     エイズに対する偏見の解消等を目的として、小・中・高等学校を含む推進地域を指定し、実践研究を行うとともに成果の普及を図ります。【所管:教育庁】
  3 人権尊重教育推進校委員会等の設置
   (1) いじめ等対策関係機関協力会議
     教育をはじめとする関係機関等が、児童・生徒のいじめ等の問題解決に向けて、連携・協力の方途等について協議します。【所管:教育庁】
   (2) 児童・生徒健全育成推進協議会
     児童・生徒の心と体の健康づくりをめざして、学校・PTA・関係機関が協議していきます。【所管:教育庁】
   (3) 人権尊重教育推進校委員会
     人権教育についての基本的な考え方や具体的な研究・実践の進め方等について、人権尊重教育推進校の関係者が研究・協議します。【所管:教育庁】
   (4) 性教育に関するプロジェクトチーム
     新たな性教育プログラムを研究・開発し、児童・生徒の性にかかわる望ましい意思決定や行動選択を促していきます。【所管:教育庁】

 (3)人権教育の普及啓発
    学校における教育実践活動等に役立つよう、人権課題に対応した指導資料等を作成し、普及啓発を行います。

 ・事業内容
  1 教員用指導資料の作成
    全都の公立学校の教職員及び教育関係機関向けに、人権教育に関する指導資料を作成します。【所管:教育庁】
  2 児童・生徒用学習資料の作成
    人権尊重の意識を高めるための児童・生徒用学習資料を作成・配布します。【所管:教育庁】
  3 人権尊重教育資料センターの運営
   (1) 資料の収集及び閲覧
     人権問題に関する図書やビデオを選定し、研究のための資料として整備するとともに、教育関係者を中心に視聴覚資料の貸出しを行います。【所管:教育庁】
   (2) 人権教育に関する基礎的研究
     人権教育に関する研究成果を収集・調査し、基礎的な研究を行います。【所管:教育庁】

 (4)教育相談等の実施
    教育相談センターでの総合教育相談や学校におけるカウンセリング機能の充実を図ることで、いじめ・不登校の防止や解消を図ります。

 ・事業内容
  1 総合教育相談や不登校等への対策
   (1) 総合教育相談の実施
     幼児から高校生、保護者及び教職員等から、幼児・児童・生徒の問題に関する相談を受けて、その解決のための助言等を行います。【所管:教育庁】
   (2) 健全育成のための強化月間の実施
     月間を設定し、児童・生徒のいじめ、不登校、暴力行為等について、継続的な取組及び調査を実施します。【所管:教育庁】
  2 スクールカウンセラーの配置等
   (1) スクールカウンセラーの配置
     臨床心理の専門家をスクールカウンセラーとして中学校等に配置します。【所管:教育庁】
   (2) アドバイザリースタッフの派遣
     医師や臨床心理士などの専門家や大学院生等で構成するアドバイザリースタッフを要請に応じて、家庭や学校に派遣します。【所管:教育庁】

 課題2 社会教育における人権学習の推進

 (1)人権学習の普及啓発
    社会教育関係職員や社会教育関係団体指導者等が人権問題に対する正しい理解と認識を深めるとともに、都民が自主的に行う人権学習や社会教育事業に活用できる啓発資料を作成します。

 ・事業内容
  1 人権啓発資料の作成
    人権問題の啓発のための冊子や教材ビデオを作成し、配布します。【所管:教育庁】

 (2)人権学習の指導研修
    社会教育関係職員及び社会教育関係団体指導者等を対象に、人権問題に対する正しい理解と認識を深めるための研修や公開講座を実施します。
    また、人権学習のあり方やその内容・方法等について研究するとともに、社会教育関係職員の自主的な研究に対して助成を行います。

 ・事業内容
  1 社会教育関係職員及び社会教育関係団体指導者の研修等
   (1) 社会教育関係職員の研修
     都や区市町村の社会教育関係職員を対象とした研修を実施します。【所管:教育庁】
   (2) 社会教育関係団体指導者の研修等
     PTA等の社会教育関係団体のリーダーや役員、社会教育関係の各種委嘱指導者等を対象に研修や公開講座を実施します。【所管:教育庁】
  2 人権学習推進のための研究
    さまざまな人権課題についての学習のあり方や内容・方法等を研究します。【所管:教育庁】
  3 人権学習研究奨励事業
    都や区市町村の社会教育関係職員の自主的な研究を奨励・援助します。【所管:教育庁】

 (3)人権学習の促進
    区市町村における人権学習の一層の推進を図るために、区市町村の取組を支援します。

 ・事業内容
  1 人権学習促進のための区市町村補助
    さまざまな人権課題に関する学級・講座・集会等の事業に対して支援します。【所管:教育庁】

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3 研修
  行政の仕事はすべて人権に深いかかわりを持つことから、職員一人ひとりが、首都東京にふさわしい国際的視点に立った人権感覚を身につけ、都民の切実な訴えや期待を誠実に受け止めて、人権に配慮した職務が行えるよう、都の諸機関において職員研修等を推進していきます。

 (1) 現状
   現在、人権に関する研修としては、新任研修における人権研修、各職層を対象とした同和問題研修等が行われています。また、それぞれの職務に直接関係する研修の中で、人権にかかわる問題も採り上げています。
   しかし、「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画において取り組むべき重要課題など、人権問題を体系的にとらえ、職務に生かせるような研修は十分には実施されていません。

 (2) 施策展開の基本的な考え方
   人権尊重の理念に基づき、日常の職務が行われるよう、職務に応じた人権に関する研修を体系的に実施します。
   また、職員が人権に配慮して職務を進められるよう、手引となる職務マニュアルを作成します。

 (3) 施策の体系
  +−−++−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−+
  |課題||施策          ||事業              |
  +−−++−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−+
  +−+
  |職|
  |務|               +−1 一般職員に対する人権研修の充実
  |に|  +−−−−−−−−−−+ +−2 教員・社会教育関係職員の研修
  |応+−−+職務分野ごとの研修 +−+−3 医療・保健関係職員等の研修
  |じ|  +−−−−−−−−−−+ +−4 福祉関係職員等の研修
  |た|               +−5 高齢者の医療・福祉にかかわる職員の研修
  |人|               +−6 消防職員の研修
  |権|               +−7 警察職員の研修
  |研|
  |修|
  +−+
  +−+
  |人|
  |権|
  |に|
  |配|  +−−−−−−−−−−+
  |慮|  |人権に配慮した職務 |
  |し+−−+マニュアルの作成  +−−−1 職場ごとの人権に配慮した職務マニュアルの作成
  |た|  +−−−−−−−−−−+
  |職|
  |務|
  |の|
  |遂|
  |行|
  +−+

 課題1 職務に応じた人権研修

 (1)職務分野ごとの研修
    職員等が人権尊重の理念を理解し、その意識が行動や態度に現れるよう、それぞれの分野ごとに、職務に応じた人権研修を実施します。
    また、区市町村が職員の職務に応じた人権研修を実施するための支援を行います。

 ・事業内容
  1 一般職員に対する人権研修の充実
    「人権教育のための国連10年」に関する国内行動計画の重要課題やその他の重要課題に共通する普遍的な人権について、体系的な研修を実施します。【所管:総務局、関係各局】
  2 教員・社会教育関係職員の研修
   ○ 教職員や社会教育関係職員
     学校教育における教職員や社会教育関係職員が、人権教育の理念を十分認識し、一層人権に配慮した教育を行うとともに、教育内容や教育方法を工夫するなど効果的に人権教育を進められるよう、職務や人権課題に応じた研修を実施します。【所管:教育庁】
   ○ 大学職員
     国際的な人権意識の高まりや、諸外国の教員等との交流、留学生の受入れの増加などから、国際都市東京が設置する大学として、人権問題に対する一層の理解を促進するため、人権研修への教員の参加促進を図ります。【所管:都立大学】
  3 医療・保健関係職員等の研修
    医療・保健の現場において、患者・都民と接する機会の多い医師、看護婦(士)、保健婦(士)等の医療・保健関係職員が、人権の重要性を認識し、患者・都民の立場に立ったサービスを提供できるよう研修を行います。【所管:衛生局】
  4 福祉関係職員等の研修
    福祉関係職員等に対して、人権意識の普及・高揚が図れるよう、女性、子ども、障害者等の人権に関する課題について、より正しい理解と認識を深め、豊かな人権感覚を養う研修を実施します。
    研修内容については、基本的人権にかかわる理解をより深めるため、講義形式に加え、討議形式なども取り入れた弾力的な研修の充実に努めます。【所管:福祉局】
  5 高齢者の医療・福祉にかかわる職員の研修
    高齢者の医療・福祉の現場において、職員が患者や利用者の人権の重要性を認識し、人権意識の普及・高揚が図れるよう、人権に関する研修を充実します。特に、高齢者の人権と権利の擁護を推進するため、「成年後見制度」や「身体拘束の廃止」等に関する研修を、医師、看護婦(士)、医療相談員、寮母、生活指導員等に対して行います。【所管:高齢者施策推進室】
  6 消防職員の研修
    職員の人権意識の普及・高揚を図るため、消防学校で行う初任教養や各級幹部研修の中で、人権教育を実施します。
    また、各消防署ごとに行う所属教養の中でも人権教育を実施し、人権問題の啓発を効果的に推進します。【所管:東京消防庁】
  7 警察職員の研修
    警察学校・職場におけるあらゆる機会をとらえ、人権教育を推進します。
    また、犯罪捜査、留置業務、被害者支援、相談業務等に従事する者に対し、警察学校での専門教育、職場での研修会等により、被疑者、被留置者、被害者等の人権に配慮した適正な職務を執行するための教育を推進します。【所管:警視庁】

 課題2 人権に配慮した職務の遂行

 (1)人権に配慮した職務マニュアルの作成
    人権に配慮した職務を遂行するため、職場ごとのマニュアルを作成します。

 ・事業内容
  1 職場ごとの人権に配慮した職務マニュアルの作成
    職員一人ひとりが、人権に配慮して職務を遂行するため、職場ごとに職務に応じたマニュアルを作成し、実践的な研修等を実施します。【所管:総務局、関係各局】

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第3章 支援・助成

 都民やNPO、企業、大学などの多様な主体の参画による社会の連帯の力で、広く人権を守る仕組みをつくるため、さまざまな活動に対する支援・助成にかかわる施策を展開します。

1 現状
  従来、人権にかかわるサービスのほとんどを行政とNPOが担ってきましたが、相互の連携が十
分でなく、それぞれの主体が個々、独立に活動している場合が多く見られました。少子・高齢社会における新しい社会システムを支えるNPOの役割に対する期待は高まっています。活力ある東京を築いていくうえで、具体的な人権施策についての行政とNPOとの連携や協働は不可欠であり、時代の変化に対応したパートナーシップの確立が求められています。
  一方、人権は、従来、ビジネス化になじまない分野とされてきたため、企業が人権にかかわるサービスを担うことはほとんどなく、行政が中心的な役割を果たしてきました。そのため、サービスにスピードや柔軟性に欠けたり、都民ニーズに応える多様なサービスが提供できない場合が見られました。

2 施策展開の基本的な考え方
  支援・助成に当たっては、個人の自律・自立性を基本として、個人の力を強化し、個人のニーズを満たすことを施策の目標とします。
  都は、都民、NPO、企業、大学などが人権に関する活動をしやすい環境づくりに努め、新しいパートナーシップを築きます。
  都は、広くさまざまな手法やシステムを工夫し、民間企業の参入を促進するため、市場原理が働くよう条件づくりを行うなど、民間の活動を重視した施策を展開していきます。
  また、サービスのスピードや柔軟性、多様性を一層向上させるため、民間の技術力、経営力及び資金力等の民間活力の積極的な活用を図っていきます。

3 施策の体系
+−−++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
|課題||施 策             ||事 業               |
+−−++−−−−−−−−−−−−−−−−++−−−−−−−−−−−−−−−−−−+
+−+
|社|
|会|   +−−−−−−−−−−−−−+
|的| +−+バリアフリーで安全な都市 +−+−1 福祉のまちづくり地域支援事業
|弱| | |環境の整備        | +−2 だれにも乗り降りしやすいバス整備事業
|者| | +−−−−−−−−−−−−−+ +−3 鉄道駅エレベーター等整備事業
|・| |                 +−4 リフト付タクシー整備事業
|少| |
|数+−+ +−−−−−−−−−−−−−+
|者| +−+社会的弱者・少数者の自立支+−+−1 住居を確保する仕組みづくり
|の| | |援事業          | +−2 社会的弱者・少数者の生活支援
|自| | +−−−−−−−−−−−−−+
|立| |
|支| | +−−−−−−−−−−−−−+ +−1 協定法律事務所制度
|援| +−+法律制度利用支援事業   +−+−2 相談窓口等の紹介制度
+−+   +−−−−−−−−−−−−−+ +−3 訴訟支援制度の研究

+−+
|多|
|様|  +−−−−−−−−−−−−−−+
|な| ++東京ヒューマン・ウエーブ21+−+−1 推進する組織の設置
|主| || (仮称)の展開       | +−2 推進キャンペーンの実施
|体| |+−−−−−−−−−−−−−−+
|の| |
|連+−+
|携| |
|・| |+−−−−−−−−−−−−−−+
|協| ++社会的な発言の場の確保支援 +−+−1 社会的弱者・少数者ための意見表明への支援
|働|  +−−−−−−−−−−−−−−+ +−2 外国人都民の意見を収集する仕組みづくり
|の|
|推|
|進|
+−+

+−+
|企|
|業|
|・|   +−−−−−−−−−−−−−+
|N| +−+ビジネス界との連携    +−−1 人権関連ビジネス機構設立誘導
|P| | +−−−−−−−−−−−−−+
|O| |
|等| | +−−−−−−−−−−−−−+
|の+−+−+業態ごとの自主ガイドライン+−+−1 業態ごとの自主ガイドライン策定支援等
|自| | |策定支援等        | +−2 「人権標準ガイドライン」奨励マーク
|主| | +−−−−−−−−−−−−−+ +−3 人権尊重理念の普及に寄与する作品等の表彰
|的| |
|な| | +−−−−−−−−−−−−−+
|取| +−+NPO等の自主的な活動の +−+−1 活動・交流の場の提供
|組|   |支援           | +−2 各人権分野への対応
|支|   +−−−−−−−−−−−−−+ +−3 啓発資料の作成
|援|
+−+

+−+
|人|
|権|   +−−−−−−−−−−−−−+
|施| +−+人権ビジネスの事業化の基盤+−+−1 人権ビジネスの事業化の研究
|策| | |づくり          | +−2 人権ビジネスフェア事業
|へ| | +−−−−−−−−−−−−−+
|の| |
|民+−+
|間| |
|活| | +−−−−−−−−−−−−−+
|力| +−+人権標準ガイドライン等の +−+−1 人権標準ガイドラインの策定への取組
|の|   |策定への取組       | +−2 プライバシー保護標準ガイドラインの研究
|導|   +−−−−−−−−−−−−−+
|入|
+−+

  課題1 社会的弱者・少数者の自立支援

 (1)バリアフリーで安全な都市環境の整備
    高齢者や障害のある人などが、自由に行動し、社会参画できるよう、ハード・ソフトの両面からバリアフリーで安全な都市づくりを行います。

 ・事業内容
  1 福祉のまちづくり地域支援事業
    地域において、都民、事業者、行政の協働による福祉のまちづくり推進のための仕組みづくりとこれに基づく具体的整備の実施を通じて、都民等の意識の醸成と福祉のまちづくりの普及拡大を図る区市町村を支援します。【所管:福祉局】

  2 だれにも乗り降りしやすいバス整備事業
    高齢者や障害者の移動を容易にし、生活空間の拡大と社会参加を促進するため、利便性が高く、重要な移動手段である民営路線バスに、高齢者、障害者をはじめ誰にも乗り降りしやすいノンステップバスの導入を支援します。【所管:福祉局】

  3 鉄道駅エレベーター等整備事業
    鉄道駅エレベーター等について、東京都と区市町村が協働して鉄道事業者を支援することにより、鉄道駅におけるエレベーター等の整備を促進し、福祉のまちづくりの推進を図ります。【所管:福祉局】

  4 リフト付タクシー整備事業
    高齢者や障害者だけでなく、誰もが利用できるリフト付タクシーを整備することにより、移動手段の充実及び多様化を図り、福祉のまちづくりを推進します。【所管:福祉局】

 (2)社会的弱者・少数者の自立支援事業
    不合理な差別によって自立を妨げられている社会的弱者・少数者に対する自立を支援するための施策を展開します。

 ・事業内容
  1 住居を確保する仕組みづくり
    賃貸人や不動産業者等に対して、国籍、年齢、障害等を理由として差別しないように協力を求めていきます。
    また、社会的弱者・少数者等の住居の確保のため、立ち退き、空き家等に係る賃貸上の負担を軽減する方向で、新しい制度を検討します。そのため、「ひとり暮らし高齢者等入居身元保証人制度」から検討に入ります。【所管:高齢者施策推進室・総務局】

  2 社会的弱者・少数者の生活支援
   (1) 女性自立支援事業 (再掲)【所管:福祉局】
   (2) 契約支援のあり方の検討
     意思能力が不十分な痴呆性高齢者や知的障害者等が福祉サービスを円滑に利用できるよう支援するため、成年後見制度等が十分機能する契約支援の仕組みを検討します。【所管:福祉局・高齢者施策推進室】
   (3) ハンセン病患者・家族支援事業
     生活困難により援護を要する入所者の家族に対し、生活の援助をします。
     また、療養所入所者を対象に、郷土訪問等の社会交流事業を実施します。【所管:衛生局】
  (4) 犯罪被害者支援事業(再掲)【所管:警視庁】
  (5) 路上生活者の自立支援事業(再掲)【所管:福祉局】

 (3)法律制度利用支援事業
    個人の自主的な人権問題の解決等を図るため、訴訟その他の苦情解決の制度を都民が利用しやすくなるよう、法律相談情報の提供や弁護士の利用を容易にする仕組みを検討します。

 ・事業内容
  1 協定法律事務所制度
    訴訟に至らない段階での紛争解決の重要性や必要性等を踏まえて、機敏に動ける弁護士を一定数確保するような、弁護士会や法律事務所等と連携した協定法律事務所制度を検討します。【所管:総務局】

  2 相談窓口等の紹介制度
    各種の法律相談窓口や訴訟支援制度を活用できるよう、利用者にとって適した窓口や制度を迅速に紹介できる情報システム等を整備します。【所管:総務局】

  3 訴訟支援制度の研究
    社会的重要性や先駆性のある事例などを対象に訴訟を支援する制度を研究します。【所管:総務局】

課題2 多様な主体の連携・協働の推進

 (1)東京ヒューマン・ウエーブ21(仮称)の展開
    都民、企業、NPO、大学など多様な主体の参画により、推進キャンペーンやシンポジウムなど複数の事業を有機的に結び「東京ヒューマン・ウエーブ21(仮称)」を展開します。

 ・事業内容
  1 推進する組織の設置
    都民、NPO、企業、大学、行政等が、「東京ヒューマン・ウエーブ21(仮称)」を推進する組織を設置し、シンポジウム、講演会など、人権問題の解決のためのさまざまな試みを展開します。【所管:総務局】

  2 推進キャンペーンの実施
    情報誌・リーフレットの発行等さまざまな広告媒体・啓発媒体等を使って、「東京ヒューマン・ウエーブ21(仮称)」の推進キャンペーンを行います。【所管:総務局】

 (2)社会的な発言の場の確保支援
    社会的弱者・少数者が、自律、自立し、社会に参画するための機会を得たり、そのためのスタートラインに立てるよう、社会的な発言の場づくりを支援していきます。

 ・事業内容
  1 社会的弱者・少数者の意見表明への支援
    発言の場が少ない社会的弱者・少数者が、広く社会の理解を得るため、意見を表明できるよう、その機会づくりや情報技術の習得を支援します。【所管:総務局】

  2 外国人都民の意見を収集する仕組みづくり
    地域の国際化のために、都内に住む外国人から意見を収集する仕組みづくりを進めます。【所管:生活文化局】

課題3 企業・NPO等の自主的な取組支援

 (1)ビジネス界との連携
    人権尊重の理念を社会に広く定着させるため、社会経済の中心的な担い手である企業に対して人権施策への参画を促進し、人権サービスの多様化や人権尊重の理念の社会への普及を図り、人権サービスの分野において民間活力を活用する手がかりとしていきます。

 ・事業内容
  1 人権関連ビジネス機構の設立誘導
    人権尊重の理念を社会全体に定着させるため、経済界等と連携して、事業の推進方法や体制などを検討し、ビジネス機構の立ち上げの誘導を図ります。
    その上で、業態ごとの人権指針の策定等に当たってもらい、これに参加することが企業としての評判の形成に欠かせないという雰囲気を醸成していきます。【所管:総務局】

 (2)業態ごとの自主ガイドライン策定支援等
    国際社会では人権に配慮した行動が企業に求められています。
    企業の国際競争力を高めるため、業態ごとの自主ガイドラインの策定を支援します。

 ・事業内容
  1 業態ごとの自主ガイドライン策定支援等
    企業における人権標準ガイドラインとなる、業態ごとの人権自主ガイドライン策定のための支援を行います。【所管:総務局】

  2 「人権標準ガイドライン」奨励マーク
    「人権標準ガイドライン」との適合性や業態ごとの自主ガイドラインの策定・実施状況等を審査して、企業等に奨励マークを発行し、人権尊重理念を重視する企業等のイメージアップを図ります。【所管:総務局】

  3 人権尊重理念の普及に寄与する作品等の表彰
    人権尊重理念の普及に寄与する、イベント、ドラマ、映画、放送番組などの企画・制作者等を表彰します。【所管:総務局】

 (3)NPO等の自主的な活動の支援
    NPO等が都民に向けて実施する自主的な啓発活動を支援します。

 ・事業内容
  1 活動・交流の場の提供
   (1) 人権啓発の拠点整備(再掲)【所管:総務局】
   (2) 自主的な啓発活動の支援
     社会的弱者・少数者やNPO等が自主的な活動を通じて、人権問題を都民一人ひとりが自分自身の課題としてとらえられるような取組を支援します。【所管:総務局】

  2 各人権分野への対応
    総合的なNPO等の活動支援と連動して、専門分野における活動支援を行います。

   (1) 地域の国際化セミナー開催(再掲)【所管:生活文化局】
   (2) 国際交流・協力TOKYO連絡会への参加
     国際交流・協力あるいは在住外国人支援等の活動を行っているNGOと都との連絡組織を発足させ、相互に保有する情報や技術を共有し、国際理解の推進を図っていきます。【所管:生活文化局】

  3 啓発資料の作成
    総合的な人権啓発資料の作成と連動して、同和問題、エイズなどの専門分野からのNPO等の活動を支援する啓発資料の作成を行います。【所管:関係各局】

課題4 人権施策への民間活力の導入

 (1)人権ビジネスの事業化の基盤づくり
    人権にかかわる多様で柔軟なサービスを都民に提供するため、人権ビジネスの事業化の基盤づくりを進めます。

 ・事業内容
  1 人権ビジネスの事業化の研究
    人権サービスをビジネスとして、事業化するための研究をします。【所管:総務局】

  2 人権ビジネスフェア事業
    人権ビジネスの事業化の基盤づくりを図るため、人権ビジネスの紹介やフォーラムを実施します。【所管:総務局】

 (2)人権標準ガイドライン等の策定への取組
    人権を広く社会に浸透させるため、人権尊重の行動ルールを示す人権標準ガイドラインの策定に向けて取り組みます。
    高度情報社会の急激な進展を背景として、都民のプライバシーを保護する観点から、プライバシー保護標準ガイドラインについて研究・検討します。

 ・事業内容
  1 人権標準ガイドラインの策定への取組
    人権の理念の社会への浸透を図るため、広く人権課題をとらえた人権標準ガイドラインの策定に向けて取り組みます。【所管:総務局】

  2 プライバシー保護標準ガイドラインの研究
    高度情報社会等に対応した、都民のプライバシー保護の体制を整備するとともに、そのための標準ガイドラインについて研究・検討します。【所管:総務局】

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