8月20日(土)~21日、部落解放第54回全国高校生集会・第66回全国青年集会が徳島市で開催されました。2020年は中止となり、2021年はオンライン配信の開催でしたが、2年ぶりに現地開催となりました。「ひろげよう仲間の輪!深めよう仲間のきずな!~差別と戦争を許さない社会をつくろう~」をスローガンに、全国から350人が結集し、また、オンラインで100人が参加し、報告や交流、学習を行ないました。
全体集会は、水平社宣言朗読からはじまり、主催者代表挨拶、地元歓迎挨拶、来賓挨拶、来賓紹介が行なわれた後、石川一雄さん・早智子さんの訴えを聞きました。
続いて、基調提案がおこなわれ、国内外情勢や若者を取り巻く社会情勢などを述べ、部落解放運動の果たす役割がますます重要であることが訴えられました。また、全国水平社創立100年にふれ、私たち若者が今後どのように運動に向き合っていくのか考えなくてはならないと提起されました。
その後、記念講演がおこなわれ、「ムラの生活文化と人権~福を運んだDEKOMAWASHI」と題して、お話を芝原生活文化研究所代表の辻本一英さんからお聞きし、箱まわしの実演を阿波木偶(アワデコ)箱まわし保存会の中内正子さん、南公代さんが披露しました。「箱まわし」とは、木偶(人形)を持って家をまわり、正月を祝う芸など人形を木箱に入れ各地で祝福芸や娯楽芸をおこなうものです。今回は、徳島だけでなく、香川や愛媛でもなくてはならない正月儀礼として定着していた「三番叟まわし」などを実演してくれました。箱まわしは、被差別部落の生業でもありました。しかし、いつしか人形を持っていると出自がばれてしまうと考え、こっそり川に捨ててしまう人が相次いだという歴史があります。昔は徳島県内各地、あるいは隣接する県でも生業としてありましたが、今では数えるほどしかありません。そういった部落差別により伝統や日常生活が奪われてきたという説明がありました。また、自身の生い立ちにもふれながら、差別に対する怒りを原動力に箱まわし復活や保存の意義などをお話いただき、「差別を生き抜いてきた人々の思いを引き継ぎ演じていく。引き継ぐことが差別をなくすことにつながる」と訴えました。
記念講演の後は、分科会紹介がおこなわれ、最後に集会スローガンが確認され、全体集会は終了し、分科会へとうつりました。
(都連青年部)