インク成分の元素を分析
下山第2鑑定


下山第2鑑定

 2018年8月30日、狭山弁護団は下山進・吉備国際大学名誉教授が作成した鑑定書「Mini-X非破壊分析装置によるインキ成分の元素分析」(下山第2鑑定)などの新証拠を提出した。第3次再審請求で提出された新証拠は217点となった。

下山第2鑑定は、蛍光X線分析装置を使い、インクに含まれている元素を分析することで、発見万年筆が被害者のものではないことを客観的、科学的に明らかにした。

弁護団は、被害者が常用していたジェットブルーインクや発見万年筆に入っていたブルーブラックインクの成分の元素について、製造元であるパイロット社に問い合わせたところ、事件当時のジェットブルーインクはクロム元素を含み、ブルーブラックインクはクロム元素を含んでおらず鉄元素が含まれると回答した。

 下山教授は、発見万年筆で書かれた数字のインク、被害者が常用していたインク瓶のインク、被害者が事件当日に書いたペン習字浄書のインク、2016年10月に証拠開示された発見万年筆で書いた数字のインクなどをX線発生器を用いた非破壊分析装置を使用し、検察庁で蛍光X線分析(物質にX線をあてると元素固有の蛍光X線が発生することを利用して物質が含む元素を分析する手法)を行なった。

 分析を行なった結果、被害者が常用していたインク瓶のインク、ペン習字浄書のインクからはクロム元素が検出されたが、発見万年筆で書いたとされる数字のインクからクロム元素は検出されなかった。

 さらに、別のインクを万年筆に「補充」していたとしても元のインクのクロム元素が検出されることも確認している。

 以上のことから、発見万年筆は被害者のものではなく、補充もされていないことが明らかとなった。

 「秘密の暴露」は完全に崩壊しており、寺尾確定判決が間違いであったことが証明された今、裁判所に対して事実調べを求める運動の強化、10・31市民集会に結集し、狭山再審開始を勝ち取ろう。

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