2月17日、田町交通ビル・ホールにおいて、狭山事件の再審を求める東京集会(主催:狭山東京実行委員会)が開催された。参加者は278名。
主催者を代表して挨拶に立った狭山東京実行委員会の佐藤議長は、東京各地、職場から証拠開示を求める声をさらに広げ、高裁に判断を迫る闘いを展開していきたい。2016年の闘いの起点として本集会の成功を勝ち取ろうと呼びかけ、挨拶に代えた。桐田事務局長が基調(案)の提案を行い、「冤罪・狭山53年、確定判決である41年前の寺尾判決は完全に崩壊している。証拠開示をめぐる検察側との攻防は続いているが、更なる証拠開示、事実調べを実現し、再審開始へと結びつけていこう。」との基調(案)を全体で確認した。
続いて、「最大の正念場、狭山第三次再審の現状と課題」と題し、狭山弁護団の指宿昭一弁護士から講演を戴いた。狭山事件の確定判決の基本的構造、三者協議の経緯と現段階を詳しく説明され、再審を求める各地の闘いと弁護団の職人的な作業の積み重ねを結合し、粘り強く、根気強く、闘いを進めれば必ず勝利できる。しかし、狭山事件の根幹にある部落差別は今も厳存している。みえない手錠は、石川さんだけではなく、部落差別に苦しむ人たち全てにかけられている。冤罪は最も恐ろしい国家犯罪である。部落解放運動と狭山再審の闘いを共に進めていくことの重要性を力説された。
第三次再審請求こそ「最後の裁判」との決意をもって全国各地で再審開始を訴え続ける石川一雄さんからアピールを頂戴した。「人格を 疎外されしも 今年こそ
吾は 司法で 復権果たす」と句を詠み、参加者へ一層のご支援を、と訴えた。地域や職場で奮闘している仲間からのアピールでは、自治労東京・中條副委員長、東京同宗連・中本議長、石川さんをとりもどそう23日の会の 鈴木さんから狭山に対する思いや具体的な取り組みの報告とともに、再審勝利への決意が述べられた。集会は成功裏に終盤になり、I女性会議の布施さんが「事件発生・不当逮捕から53年目、寺尾差別判決から41年、第三次再審請求から10年目を迎える2016年、総力をあげて徹底した証拠開示と事実調べを実現し、再審開始を勝ち取りましょう。」と結んだ集会決議(案)を読み上げ、全体の大きな拍手で採択。司会から読み上げられたスローガン(案)を採択した後、東京教組・林書記長が先導する参加者全員でのシュプレヒコールで会場は熱気にあふれた。
集会のまとめを解放同盟都連・長谷川委員長が行い、本集会での重要ポイントを整理し、狭山の共同闘争の発展を勝ち取り、再審闘争に勝利しよう、と闘いの高揚を鼓舞した。最後に佐藤議長による力強い団結ガンバローで集会を閉会した。