不当逮捕55年今こそ再審開始を
狭山事件の再審を求める市民集会


不当逮捕55年!今こそ事実調べ・再審を!狭山事件の再審を求める市民集会

 「不当逮捕55年!今こそ事実調べ・再審を!狭山事件の再審を求める市民集会」が5月23日、日比谷野音で行われた。雨の中、全国各地から二千五百人が参集した。

 第三次再審で必ず勝利する、との固い決意を述べた部落解放同盟・組坂繁之中央執行委員長の開会挨拶のあと、社民党の福島みずほ参議院議員、立憲民主党の小川敏夫参議院議員、国民民主党の大島九州男参議院議員、自民党の鈴木貴子衆議院議員からの挨拶。

 石川一雄さんは、「第三次再審で何としても再審無罪を勝ち取りたい。現審の後に裁判はないと自分自身に言い聞かせ、不屈に闘っていく」との決意を述べ、最大限の力を賜りたいと訴えた。

 弁護団報告では、中山武敏主任弁護人から事実調べを迫っていく決意と同じ部落民である石川さんへの思いが語られ、中北龍太郎事務局長からは、開示された取調べ録音テープは、任意の自白ではないこと、信ぴょう性もないことを示している。万年筆のインクの科学的分析が、発見万年筆は被害者のものでないことを明らかにした。コンピュータ解析により、脅迫状と石川さんの文字が99・9%違うことが明確となった。無実を証明する科学的証拠を広く世論に訴えていくことが勝利への鍵である、と確定判決が完全に崩壊している現状を強調する報告がされた。

 片岡明幸・中央狭山闘争本部長が基調提案を行い、年内には事実調べを求め、いよいよ再審闘争としての大詰めに入る。全国各地で最大限の闘いを展開していこうと呼びかけた。

 冤罪被害者からも連帯アピールがあり、袴田秀子さんは「再審決定を勝ちとり、幸せを味合わせてやりたい」と述べ、6月11日の高裁決定への思いが語られた。「清水・静岡市民の会」の山崎俊樹さんは再審開始・検察の特別抗告断念を求める取り組みについての呼びかけがされた。その他、志布志事件の川畑幸夫さん、足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さんらがともに闘い抜く決意を述べた。インドのダリットからは冤罪の現状が語られた。「市民の会」からは武者小路公秀代表、漫画家の石坂啓さん、鎌田慧事務局長が冤罪55年に思いを馳せ、権力犯罪を生み出す今日の政治、社会を許さない闘い、司法の正義を実現する闘いに力を合わせようとのアピールがあった。

 集会アピールを部落解放中央共闘事務局長の則松佳子さんが読み上げ、団結ガンバローで締めくくった。

 デモ行進に移り、道ゆく市民に石川さんの無実を訴えた。狭山東京実行委員会は終了地点でまとめの集会を持ち、各地域・職場での更なる取り組みの強化拡大を確認して散会した。

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