1963年5月23日の石川一雄さん不当逮捕から57カ年を迎えた。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大によって、5月22日に予定されていた狭山市民集会は中止となった。
中央狭山闘争本部から不当逮捕57カ年にあたって、中北龍太郎狭山弁護団事務局長からの弁護団報告が寄せられた。
狭山再審を目指し、掲載する。
狭山弁護団は、第3次再審請求で、殺害方法等について法医学者の鑑定書を提出し、石川さんの自白が真実ではない事を明らかにしました。また、寺尾判決は、当時の警察医の鑑定を根拠に犯人の血液型がB型で石川さんと一致することを有罪の証拠のひとつとしましたが、この根拠となった警察医の鑑定の誤りを指摘した法医学者の意見書を提出しました。これらの新証拠に対する反証として、検察官は法医学者の意見書を3月に提出しました。弁護団は再反論を提出することにしています。
3月19日に第42回三者協議がひらかれました。
検察官は、今後さらに、下山第2鑑定、原・厳島鑑定に対する検察官の反論を次回三者協議までに、スコップに関して弁護団が提出した平岡第2鑑定に対する反証を次々回の三者協議をメドに提出する、としました。そのほかの論点についても記録を検討し、反証、反論が提出されれば、再反論します。
また、新証拠として、3次元スキャナを用いた計測にもとづく足跡鑑定やコンピュータによるデータ分析の手法を用いた取調べテープ分析鑑定、福江鑑定に対して検察官が提出した反証に対する再反論を準備しています。
次回の三者協議は6月中旬に予定されています。新型コロナウイルスの感染が拡大し緊急事態宣言が出されるなかですが、会議等もおこない、これらの作業をすすめています。
第3次再審請求においては、逮捕当日に石川さんが作成した上申書や石川さんに対する取調べ状況を録音したテープ、当時の捜査報告書などの証拠開示が実現し、専門家による鑑定などの科学的な新証拠を提出することができました。これらの新証拠を総合的に評価すれば、寺尾判決に合理的疑いが生じていることは明らかです。
新証拠、検察官に対する反証、反論を提出したうえで、鑑定人尋問を求める準備もすすめています。第3次再審で、鑑定人尋問を実現し、再審開始をかちとるために、弁護団も石川さんとともに全力をあげていきますので、今後も一層のご支援をお願いします。