再審完全勝利まで闘い抜こう
狭山市民集会に2500人


sayama

 不当有罪判決から43年にあたる10月31日、狭山事件の再審開始を求める市民集会が日比谷野外音楽堂で開かれ、2500人が参加した。狭山東京実行委員会、東京都連各支部、地域共闘・支援団体から多くの仲間が参加した。

 「第三次再審に命をかけている石川一雄さんの思いに応え、完全勝利まで闘い抜く」との組坂繁之中央本部委員長の主催者挨拶の後、立憲民主党幹事長の福山哲郎さん、民進党の江崎孝さん、社民党副党首の福島みずほさん、自民党の鈴木貴子さんが連帯の挨拶。続いて登壇した石川一雄さんは「来年と心に秘めて再奮起皆の支援で司法動かす」との句を詠み上げ、来年こそは絶対に再審開始を勝ち取る決意を述べた。早智子さんも「遠ざかりまた湧き上がる悔しさよ デモより帰る濡れたからだに」と歌人の道浦母都子さんの歌を紹介、54年無実を訴えて、それでも動かない再審の扉、この悔しさをばねにここまで石川はがんばってきた。もう一息、みなさんのご支援をと訴えた。

 狭山弁護団からは、青木孝弁護士が家宅捜索にあたった警察官たちからの「万年筆はなかった」という証言にふれ、発見万年筆はねつ造であると訴えた。そして、欠席された中山武敏主任弁護人のメッセージを代読した。中北龍太郎弁護団事務局長からの報告では、検察官の下山鑑定への反証の一端が紹介され、また現在、自白の録音テープや筆跡の科学的な分析を進めているとの報告がされた。

 片岡明幸副委員長が基調提案を行ない、第三次再審では191点の証拠を開示させ、191点もの石川無実の新証拠を出してきた。検察の証拠隠しを許さず、弁護団が求める重要証拠の開示を迫っていくこと、検察側反証への弁護団再反論とあわせて、確定判決は崩れていることを訴え、事実調べ・再審開始へと闘いを進めていくことを確認した。

 連帯・えん罪被害者からのアピールでは、憲法学者・狭山弁護団の小林節さん、袴田事件の袴田巖さんの姉・袴田秀子さん、足利事件の菅谷利和さん、布川事件の桜井昌司さん、市民の会代表・武者小路公秀さん、アニメーション監督・宇井孝司さん、市民の会事務局長・鎌田慧さんが再審開始を訴えた。

 集会アピールを採択し、再審開始に向けた闘いを全国各地で積み上げる事を確認した。集会終了後、「石川さんは無実だ!」の横断幕やプラカードを掲げ、常盤橋公園までのアピール行進を行ない、狹山東京実行委員会が東京の取り組みの軸となって、地域・職場での闘いの強化拡大を進めていくことを誓い合いあった。