INDEX > 狭山事件

狭山事件発生から50年の今年こそ無実を

狭山事件の再審を求める東京集会

狭山東京集会 「狭山事件の再審を求める東京集会」が2月20日18時30分から台東区民会館ホールで開催された。
 集会の冒頭、主催者を代表してあいさつした長谷川信康狭山東京実行委員会議長は、「狭山事件で石川さんが不当逮捕されてから、ついに50年目を迎えた。この事件は部落差別が生んだえん罪であり権力犯罪である。これを解決できなければ、日本に真の人権も民主主義も確立しない。もうこれ以上の時間の経過は許されない。今年こそ何としても再審・無罪を勝ち取ろう。現在狭山東京実行委員会は、都内各地から再審実現の声を集めようと、各地のたたかうなかまとともに地域集会などの取り組みを進めている。既に足立区と三多摩で集会を行ったが、足立では60人以上、三多摩では141人という多数のなかまが参加してくれた。今後、4月には西北部と台東区で地域集会が取り組まれる予定であり、また南部地域でも取り組みの準備が進められている。まさにこの東京集会を起点として、私たちの力で再審実現、完全無罪獲得をめざそう」と訴えた。
 つづいてアピールに立った石川一雄さんは、「74才になりました。もう50年です。しかし今私は本当に『今度こそ』と思っています。皆様のお力をお借りし、ぜひ無実をはらしたいのでご協力をお願いします」と、その心情を語った。またつれあいの早智子さんは、「今人権やえん罪にとって厳しい状況がありますが、狭山事件は多くの方々に支えられて、間違いなく風が吹いている。今度こそ勝てるのではないかと心から期待しています。石川は元気ではありますが、やはりもう74才です。ぜひ今年こそいい決着を迎えられるよう、ご協力をお願いします」と訴えた。
 このあと、狭山東京実行委員会の浦本誉至史事務局次長が基調案を提案、つづいて狭山弁護団の中山武敏主任弁護人が、弁護団報告をおこなった。中山弁護士は、「証拠開示と新証拠に対する事実調べ、この二つが焦点だ」と述べ、弁護団がこの二つの実現に向けてあらゆる努力を続けていることを強調した。
 集会には、同じ東京高等裁判所刑事第4部で、昨年一足先に無罪を勝ち取った「東電OL事件」をたたかった「無実のゴビンダさんを支える会」の客野美喜子事務局長も参加し、連帯報告をおこなった。客野さんは、「東電OL事件の無罪は確定した。しかし裁判所は『なぜ誤判がおきたのか』総括していない。さらに検察からは『証拠開示をやりすぎた、今後はできるだけ開示しないようにしよう』などという声まで聞こえる始末だ。これではえん罪は終わりにならない。ぜひ狭山が勝利して、この国の誤った司法を変えていくことが重要だ」とエールを送った。
 集会では、東部、北西部、南部、三多摩の各地のなかまから取り組みの報告や決意の表明を受けた。狭山事件発生50年目の今年こそ再審無罪を実現しようとひらかれた集会だったが、都連各支部のなかまは勿論、都内各地から多数のたたかうなかまが多数参加し、参加者の数は297人にたっした。

 

部落解放同盟東京都連合会
http://www.asahi-net.or.jp/~mg5s-hsgw/