写真撮影報告書を新証拠で提出
図面の書き換え・改ざん等示す

狭山事件の再審をめぐって
第24回三者協議(7月27日)

 

sayama

 狭山事件の第24回三者協議が7月27日、東京高裁で開かれた。植村稔裁判長は6月に就任して最初の三者協議となった。7月21日付で検察官から手拭いの配付先の捜査報告書1通が開示された。弁護団は24日、「秘密の暴露」 とされた車の追い越しに関する新証拠と補充書を提出した。これによって「被害者の自転車に乗って脅迫状を届ける途中で、自動三輪車に追い越された」という石川さんの自白を警察が初期捜査で知っていたことを明らかにし、寺尾判決に合理的疑いが生じた。また、弁護団は万年筆の発見時の「略図」に関する写真撮影報告書を新証拠として提出した。この略図にもとづいて万年筆を発見したと警察は主張しているが、石川さんが書かされた図面にベンで線を書き加え、改ざん・捏造したことが明白となった。弁護団は、略図作成、捜索・発見にいたる捜査経過に関わる捜査書類、万年筆を隠した場所についての自白に関わる捜査書類などの証拠開示勧告申立書を東京高裁に提出した。
 今回の三者協議では、1月22日に開示された東京高検が保管する物的証拠の領置票にある4点の証拠物の開示請求について、前任の河合裁判長は証拠物や客観的な証拠は開示してほしいというのが従前からの裁判所の基本的姿勢であるとし、プライパシーの問題があれば、まず裁判所に提出し、裁判所が開示を判断するとした。植村・新裁判長からはこの基本姿勢を踏襲することが表明された。植村裁判長は検察官に検討を要請し、万年筆の捜索・発見経過に関する証拠開示について、検察官はこれまでの経過をふまえて検討するとした。次回の第25回三者協議は、10月下旬。要請ハガキや署名運動などに取り組み世論を拡大しよう。