河合裁判長が検察に対して
筆跡資料などの証拠開示を要請

3月28日に第17回三者協議


 捜査資料が改ざんか?(オレンジの線の上の数字) sayama

 狭山事件第三次再審請求の第17回三者協議が3月28日、東京高裁で行なわれた。三者協議に先だって、弁護団から3月6日に「秘密の暴露」とされた車の駐車に関する証拠開示勧告申立書、13日に「手拭いに関する証拠開示勧告申立書」が提出され、3月25日付けで東京高裁は手拭い関係の捜査資料1通(押収した手拭の数が書き変えられている 左の写真)を136点目の証拠として開示した。 証拠開示によって、石川一雄さんを有罪とした「確定判決」の誤りがますます明らかになってきている。
 狭山弁護団は、石川さんの無実を示す新証拠を次々と提出し、東京高裁に事実調べを始めるよう強く求めている。また、東京高検に対しては、勧告があったにもかかわらず未開示となっている重要証拠や欠番の証拠物、証拠リストなどの開示を強く求めているが、検察官は「開示の必要性はない」「プライバシーに関わる」として開示に応じようとしていない。
 足利事件、布川事件、東電女性社員殺害事件につづき、3月27日、袴田事件の再審開始決定が出され、この大きな流れの中で、裁判所も証拠開示をすすめる姿勢を示している。東京高裁河合健司裁判長は、第17回三者協議においても重ねて証拠開示に応じるよう検察官に求めている。
 袴田事件の再審決定では、捜査機関による証拠物のねつ造の疑いが指摘されているが、狭山事件においても犯行に使用された手拭い捜査内容の変遷、回収本数の書き換え等々、捜査の作為・不正の問題が浮かび上がっている。
 6月中旬に開催予定の次回第18回三者協議での進展を勝ち取るために、狭山東京実行委員会が取り組む裁判長への要請ハガキや署名運動、各地での映画「SAYAMA」上映運動の取り組みを進め、引き続き、事実調べの実施、捜査資料や重要証拠の徹底した開示を求める世論を拡大していこう。