高裁は狭山事件の
事実調べ・再審開始を

5.23狭山事件の
再審を求める市民集会をひらく


sayama

 冤罪54年・狭山事件の再審を求める市民集会が5月23日13時から日比谷野外音楽堂で開かれた。
 壇上に立った石川一雄さんは「今こそ司法を倒す時がきた。発見された万年筆が被害者のものではなかったことを証明した下山鑑定が出されて大きな期待を寄せているが、最後まで楽観せずに再審無罪を勝ち取るまでとことん頑張っていきたい。」と述べた。連れ合いの早智子さんは、5月10日に行われた第32回三者協議の内容を紹介し、「検察が50年も隠していた被害者のインク瓶の写真が証拠開示され、それをもとに弁護団が鑑定しでっち上げだとわかった。証拠はすべて検察がもっている。検察は証拠開示する必要がないというが、それを決めるのは裁判官。今こそ裁判長は開示命令を出す時だ」と訴えた。
 足利事件の菅家利和さん、布川事件の桜井昌司さん、袴田事件の袴田巌さんの姉・秀子さんら、えん罪被害者の方々からもアピールがあり「無実を勝ち取るまで共に闘い抜く」と訴えられた。
 連帯アピールで作家の雨宮処凛さんは「共謀罪ができてしまうとまちがいなくえん罪が増えていく。石川さんの再審開始に向けてがんばろう」と呼びかけた。
 集会の前段10時30分から日比谷公園の健康広場で前段集会が行われ、都府県連や市民の会・住民の会など全国各地から多くの支援者が集まった。部落解放同盟・組坂委員長、石川一雄さん、足利事件の菅家利和さんからの連帯挨拶のあと、東京高検・高裁への要請行動が展開された。高検への要請では、検察官の証拠隠しが相次ぐえん罪事件をつくりだしてきたことを踏まえ、高検以外で保管しているすべての証拠リスト、全証拠の開示を全参加者が求めた。高裁への要請では、各地・各団体の代表者から、植村裁判長が証拠開示を拒む検察官に対して証拠開示勧告を発すること、そして、191点の石川無実の新証拠が提出され、確定有罪判決の主軸が崩壊している今、即事実調べを行い、再審を開始せよ、との強い要請が行われた。全国からの再審開始を求める署名も提出された。高裁前では要請行動と合わせて情宣行動が取り組まれた。
 不当逮捕されてから54年が経過し、石川一雄さんは78歳になってしまった。これ以上の審理の引き伸ばしは許されない。石川さんは絶対に無実だ。徹底した証拠開示と事実調ベを求め、第三次再審請求で再審・無罪を勝ち取るために、地域・職場から取り組みをさらに進めていこう!