部落差別にもとづく冤罪事件である狭山事件で無実の石川一雄さんが犯人として捕えられてから今年5月で51年になる。
狭山事件発生50年という節目の年であった昨年、狭山東京実行委員会は地域での取り組みとの一体化をはかり、都内全域へ裾野を広げた取り組みを展開し、2013年10月までに8つの地域で連続的に地域集会が開催され大きな成果をあげてきた。
狭山事件の再審を求める闘いは、いま最大の山場を迎えている。2009年から現在まで裁判所・検察官・弁護団による三者協議が15回開催され、130点を超える証拠が開示された。証拠開示によって、「確定判決」が揺らいでおり、殺害現場を裏付ける証拠がなにもないことも明らかになってきた。また、「秘密の暴露」(犯人しか知りえない情報)も崩れてきている。さらに、重要な有罪証拠のひとつで、殺害に使用したとされる手拭いに関して、犯行に使用された手拭いが石川さんの家のものではないことを明らかにする新証拠が証拠開示によって発見された。自白の疑問と捜査の不正、証拠のねつ造が明確となり、確定判決はますます崩れてきている。
狭山東京実行委員会は、昨年12月19日に第19回総会を開催し、狭山事件の第三次再審請求での再審開始に向け、2014年を「狭山50年の闘いをバネに、狭山事件の再審開始を勝ち取る年」と位置づけ、地域での取り組みのさらなる拡大と世論の高揚を図っていくために、継続した署名運動、裁判長への要請ハガキの取り組み、パネル展、映画「SAYAMA」~見えない手錠をはずすまで~上映運動に総力をあげて取り組んでいくことを確認した。そして、2013年に各地での闘いの成果を集約していくとともに、2014年山場の闘いに合流していくうねりの起点として「狭山事件の再審を求める東京集会」を2月25日に台東区民会館・ホールで開催する。多くの都民の「石川さんは無実!再審開始!」の声を集め、集会を成功させよう。