2014年1月31日、東京高等裁判所で狭山再審請求審の第16回三者協議が行われた。第4刑事部河合健司裁判長と担当裁判官、東京高等検察庁の担当検察官、弁護団からは、中山主任弁護人をはじめ12人が出席した。
弁護団は、昨年の第15回三者協議以降、万年筆インクについての新証拠、「秘密の暴露」とされた車の駐車に関する新証拠を提出するとともに、関連する証拠の開示を求めていた。
検察官は1月24日、弁護団が開示を求めていたものの一部である手拭い関係の捜査資料2点を開示した。三者協議開始以降これまでに開示された証拠は135点となった。
1月30日、弁護団は三者協議に先立って、確定判決がいう「秘密の暴露」をくつがえす13点の新証拠を提出し、有罪判決には合理的疑いが生じた、とする補充書もあわせて提出。第三次再審請求で提出された新証拠は133点にもなっている。
弁護団は今回の協議においても、筆跡資料の開示を強く求め、番号飛びの証拠物の中には筆跡資料だけでなく、万年筆など重要な争点に関わるものが含まれている可能性があるとして、未開示の証拠物のリストも含めた開示を求めたが、検察官はこれらの証拠物についての開示には頑なに応じない構えであった。確定判決で「秘密の暴露」とされる車の駐車に関する捜査資料も開示を求めていたが、今回提出した新証拠もふまえて、あらためて開示を求めることになった。
また、弁護団が「石川さん宅から発見・押収された万年筆のインクはブルーブラックで、被害者がふだん使っていたインクがライトブルーで、インクの違いを認めるのか」との釈明を求めた事に対して、検察官は「争わない」と回答した。
次回の第17回三者協議は3月末におこなわれることになった。
国連・人権規約委員会からも証拠開示が勧告されている中で、検察の頑迷な証拠隠しの姿勢は許してはおけない。裁判所には、100万筆を超える公正・公平な裁判を求める署名や、証拠開示・事実調べ、再審開始を求めたハガキが届いているはずだ。
東京高裁河合健司裁判長は、51年におよぶ石川一雄さんの「再審開始を」「事実調べを」との声に早急に応えるべきだ。