狭山事件の再審開始を求め、第41次東京高裁前アピール行動が12月3日に行なわれた。東京都連をはじめ、埼玉、群馬、栃木、千葉、神奈川、山梨、大阪、福岡から、解放同盟員、住民・市民の会、宗教者など、80人以上の支援者が集まった。足利事件の菅谷利和さん、金聖雄監督も応援にかけつけた。
石川さんは東京高裁を見上げ、「相次ぎ出されている新証拠によって私の無実は明々白日。鑑定人尋問や証人尋問などの事実調べさえ行なわれれば、真実は必ず明らかになると信じている。一刻も早く事実調べを実施し、再審開始を」と訴えた。後藤裁判長に対する「もうこれ以上、裁判を引き延ばさないで」との早智子さんの訴えに続き、16人がマイクを握り、事実調べ・再審開始を求めた。
狭山事件の再審開始に向けて、現在事実調べの実施が焦点化している。事実調べが実施された裁判はすべて再審開始が決定されており、事実調べが行なわれなかった裁判は必ず再審請求が棄却されている。この事実は極めて重要である。
2006年5月に申し立てた第3次再審請求以降だけでも224点もの新証拠が裁判所に提出されている。確定判決では被害者のものと認定されてきた石川さん宅から発見された万年筆はニセ物だったということが下山鑑定で完璧に証明されている。また、犯人が残した唯一の物証であり、石川さんが書いたとされている脅迫状は、99・9%以上の確率で別人が書いたものであると科学的に結論づけられた福江鑑定も出されており、確定有罪判決は根底から覆されている。
確定判決に合理的疑いが生じているのであれば、再審法の理念に基づき、再審を行なわなければならない。事実調べ実施を求めるさらなる世論を東京高裁に集中しよう。