確定判決を突き崩す決定的新証拠が次々と出されている狭山事件の事実調べ・再審開始を訴えて、東京高裁前での第37次アピール行動が9月5日、東京高裁前で行われた。東京、埼玉、千葉、神奈川、山梨、長野、兵庫など各地から解放同盟員をはじめ60人以上の支援者が参加し、狭山事件の真相を伝えるチラシを配り、署名やハンドマイクでのアピールリレーが行われた。
足利事件の菅谷利和さん、狭山弁護団の中山武敏・主任弁護人も激励に駆けつけ、石川さんの無実、再審開始を訴えた。参加者のアピールでは、有罪判決の最重要証拠である石川さん宅から発見された被害者の万年筆は、被害者が使用していたインクと色が違う(下山第1鑑定)、事件直前まで被害者が使っていたインクに必ず含まれていなければならない元素が検出されなかったとする下山第2鑑定(8月30日に裁判所に提出)、最新のコンピュータ解析で脅迫状は99・9%の識別確率で石川さんが書いたものではないと結論づけた福江鑑定、事件当時の石川さんが非識字者で脅迫状は書けなかったことを証明した森鑑定や魚住第3鑑定などが強く訴えられた。発見万年筆は偽物=証拠の捏造、脅迫状は石川さんが書いたものではない。第3次再審段階だけでも217点の新証拠が出され、確定判決はことごとく崩壊している。東京高裁第4刑事部・後藤眞理子裁判長は鑑定人尋問などの事実調べを即時行うべきだ、とのマイクアピールが高裁前で終始響き渡った。