鳥取ループ・示現舎の差別犯罪行為を
徹底的に断罪

「全国部落調査」復刻版出版事件裁判第1回口頭弁論



鳥取ループ裁判

 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判第1回口頭弁論が、7月5日、東京地方裁判所103号法廷で開かれ、原告と傍聴を合わせて約150名が集まった。都連も共闘団体含めて約40名が参加した。
 鳥取ループ・示現舎による「全国部落調査」復刻版の出版とインターネットへの掲載事件に対して、中央本部は横浜地裁に出版差し止めの仮処分を申し立て、3月28日に横浜地裁は差し止めの仮処分決定を行い、また4月18日には横浜地裁相模原支部がインターネットへの掲載削除の仮処分決定を行った。鳥取ループ・示現舎はこの裁判所の仮処分決定には従わず、中央本部は4月19日、「損害賠償等請求事件」として東京地裁に正式に提訴し、今回の第1回口頭弁論にいたった。「請求の趣旨」は、①「復刻 全國部落調査」など著作物を出版、販売、頒布してはならない。②ウェブサイトの各記事の削除。③第三者を介することも含めて、ウェブサイトへの掲載、書籍の出版、出版物への掲載、放送、映像化等一切の方法による公表をしてはならない。④原告に対して各110万円の損害金の支払い等。
 口頭弁論では、原告(245名)を代表し片岡中央副委員長が、また弁護団から中井弁護士が意見陳述をおこなった。片岡副委員長は、鳥取ループ・示現舎の差別犯罪行為は、まず第1に、結婚や就職差別の被害をもたらすという事実であり、それを扇動する許しがたい行為だ。第2に、戦後、国や地方自治体、企業や労働組合などが積み重ねてきた部落差別をなくすための努力とその成果を破壊するものである。第3に、不当な部落差別と貧困をなくすために血と涙を流してきた我々の先輩たちの努力を冒涜する行為だと、被告の差別行為を徹底的に断罪するよう訴えた。
 中井弁護士は、まず、部落差別が現在もあるという事実を強調したうえで、原告の「名誉権」「プライバシー権」「業務遂行権」「差別されない権利(憲法14条)」の侵害であり、表現の自由として保護するべきではないとし、裁判所に部落差別の現状と被告の行為が部落差別を助長・固定化するものだということを踏まえた適正な判断を訴えた。
 裁判長から次回の日程は、9月26日である旨が告げられ第1回口頭弁論は終了した。その後、「報告集会」がもたれ、裁判闘争勝利に向けた意思一致が図られた。