1936年財団法人中央融和事業協会が発行した「全国部落調査」報告書をインターネットでアップし、その「復刻版 改訂版」を発行・販売しようとする悪質な差別事件が発覚している。「犯人」は、鳥取ループ・示現舎という差別主義者である。「中央本部」は3月2日・3日に開催した全国大会で「発行差し止め」と「サイトの閉鎖」にむけた闘いを方針化した。
そして、3月22日横浜地裁に出版や販売の差し止めを求める仮処分の申請を行っていたが、28日、出版や販売を禁止する仮処分の決定が行われた。鳥取ループ・示現舎は「題名と名目を変えて出版する」と述べ、さらに差別挑発を続ける意志を表明している。
東京都連では、3月17日、東京都に「申し入れ書」を提出し、また3月22日を中心に、企業、宗教団体、労組など共闘団体に支援を要請した。更に、各支部と連携し区市町村への申し入れをおこない、悪質な差別行為に対して都連総体で差別主義を社会的に包囲していく取り組みを開始した。
今回の事件は、第1に、差別図書「部落地名総鑑」の再来であり部落出身者の日常生活を脅かす決して許してはならない部落差別である。第2に、インターネットでアップし、公然と購入を呼び掛ける差別扇動であり「差別犯罪」である。第3に、このような差別主義的行為が現行法で禁止されず野放しになっている日本の法体系の問題点を改めて浮き彫りにしている。
鳥取ループは、2014年5月インターネット上にインターネット版部落地名総鑑「同和地区Wiki」を開設し、東京都連は、このインターネット版部落地名総鑑は、差別身元調査を誘発する差別扇動だとし、東京法務局交渉などを展開してきた。エスカレートする差別主義を決して許してはならず、社会全体が差別と立ち向かい、「発行停止」「サイトの閉鎖」、そしてこのような悪質な差別を法的に禁止するため、「差別禁止・人権侵害救済法」を早期に制定させていかなければならない。