「全国部落調査」復刻版事件
第5回口頭弁論

弁護団「部落差別に利用される情報は
一般に公開しない原則の存在」を立証



裁判報告会

 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判第5回口頭弁論が、6月26日、東京地裁103号法廷でおこなわれ、原告、傍聴含めて約130名が参加した。都連からも共闘関係など約40人が傍聴行動などを闘った。
 第5回口頭弁論では、解放同盟側(原告)から「準備書面3」を提出し、法廷で要約を説明した。「準備書面3」は「被告準備書面3」に対する反論と原告の主張の補充意見を内容としている。被告の主張に対する主要な反論は、①被告が「部落差別はなくなったとはいっていない」と従来の主張を転換させたことについて、これまでの被告の主張を分析し、被告は一貫して部落差別は存在しないという前提に立った主張をしていることを明らかにした。②「全国部落調査」を公開しないことが差別を助長するという被告の主張について、原告は「部落差別に利用される情報は一般に公開しない原則の存在」を立証し、被告の主張がこの原則の反論になっていないことを明らかにした。③そして、原告側・弁護団は、「被告らがいかに言い訳や弁解を重ねようとも客観的な事実経過から見て、被告らに部落差別を助長、誘発する目的があったことは明らか」であることを主張した。
 被告(鳥取ループ・示現舎)は、次回、「反論書」を提出するとしている。次回、第6回口頭弁論は、9月25日㈪午後2時におこなわれることが決まった。
 裁判終了後、報告集会が開催され、西島中央書記長は、宮部は通婚圏の広がりをもって「差別はない」という主張もしているが、「部落のことを告げるかどうか悩んでいる出身者の姿」は宮部には分からないだろう。第2、第3の宮部をつくらないためにも徹底して闘っていくと闘いの強化を訴えた。