「鳥取ループ」の準備書面に反論

「全国部落調査」復刻版出版事件
第2回口頭弁論



第2回口頭弁論後の報告集会
鳥取ループ裁判

 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の第2回口頭弁論が9月26日、東京地裁103法廷でおこなわれ、約150人が傍聴した。東京からも共闘関係含めて約40人が参加した。
 第2回口頭弁論は、原告、被告双方の準備書面の提出を受けて開催され、原告側弁護団より準備書面の説明がなされた。内容的には、被告の準備書面への反論であり、以下の点が特徴的な論旨だった。
 第1に、被差別部落出身者という法律的社会的学術的定義が定まっていないので原告が被差別部落出身者であることはありえず、当事者適格性がないという被告の主張について、まず「定義がないと人格権侵害等は成立しない」は誤りである。また、原告は「全国部落調査」において自らあるいは近親者が居住する(あるいは居住していた)地域が「部落」所在地として掲載されている者であって、被告らの行為により人格権侵害等の被害を受けている者である。従って当事者適格について問題はないと反論した。
 第2に、部落とされる場所は今まで何度も公開されてきたという被告の主張について、「全国部落調査」復刻版のインターネット公表は、調査・研究の限度である特定の地区の部落名を記載し、行政関係者や解放運動に従事する者、研究者など頒布対象が限定されているというものではなく、全国の被差別部落をリストアップし、出版、ウェブサイトへの掲載をしており、また利用者は誰でも、容易に、短時間で資料を入手できるという「出版物の性質」がことなり、「頒布される範囲」も「対象」もことなるものだと反論した。
 最後に、第3回口頭弁論は、12月12日 午後2時より東京地裁103号法廷で開廷することが確認された。
 裁判終了後に日比谷図書文化館で開催された報告集会では、弁護団からの報告のあと、片岡中央副委員長から「鳥取ループ」は許せないという裁判支援の輪を広げよう、また、地方法務局交渉を開催し「鳥取ループ」の差別行為をやめさせる対策確立を追求しよう、さらに、「部落差別解消推進法」を臨時国会で成立させようと、行動提起とまとめがなされた。