「全国部落調査」復刻版出版事件

悪質な差別扇動を許さない
社会的世論を



東京地裁(Loop裁判)

 「全国部落調査」復刻版出版事件は、7月5日、東京地裁において第1回口頭弁論が開かれ、裁判闘争の局面にはいっている。「出版禁止」や「サイトの閉鎖」を求めた東京法務局の説示や横浜地裁などの「仮処分」決定を無視し、依然被差別部落の所在地をネットで公表し続けている鳥取ループ・示現舎の差別主義的行為を断罪し、また、模倣犯を生み出さないためにも、損害賠償請求も含めた裁判闘争の意義は大きい。第2回口頭弁論は、9月26日に開催される。裁判闘争の勝利にむけ、また、差別主義者である鳥取ループ・示現舎を社会的に孤立させるために、傍聴など積極的な取組を強めていくことが重要である。
 また同時に、現在もインターネット上で被差別部落の所在地リストが公表されており、結婚や就職差別をはじめ地区住民に対する様々な形での差別的攻撃がかけられることが予想される。東京でも被差別部落が公表されており、当該の自治体はもちろんのこと、東京都及び全区市町村は被害者救済や人権啓発など部落問題解決に向けた取組を強めることが求められている。
 さらに都連では、東京都と都内全区市町村に対して、鳥取ループ・示現舎の差別行為を即刻やめさせる対策の確立を国に要請するよう求めた。その結果(都連の調べで)、12区4市が行動を起こし、その内、7区は東京法務局人権擁護部長、4市は法務省人権擁護局長宛に、「情報の拡散を放置することなく差別解消に向けた対策を講じること」などを求めた要望書を提出している。引き続き、全区市町村が対策を国に求めるなど悪質な差別行為を許さない社会的世論を喚起していかなければならない。
 現実に差別が強まっているもとで、裁判闘争を軸にしながら人権侵害救済や人権啓発の強化を求める行政闘争を強めるとともに、根本的には、鳥取ループ・示現舎のような差別扇動を規制する法制度の確立を企業、宗教団体、労働組合など幅広い共同闘争で勝ち取っていかなければならない。

 「全国部落調査」復刻版出版事件第2回口頭弁論

 日時 9月26日(月)11時(傍聴多数の場合抽選)
 場所 東京地裁103号法廷