都教委主催で差別助長の研修

『四本指』の動作で
リスク管理の問題として説明



 都連は3月4日、「学校リーダー育成特別講座」差別助長事件の話し合いを東京解放会館で行なった。教育庁から坂本教育庁人権教育調整担当課長はじめ6人、(株)N社・社長はじめ2人、都連は長谷川委員長はじめ4人が出席した。
 今回の差別助長事件は昨年8月1日に都教委主催の「学校リーダー育成特別講座」で起きた事件である。この講座は業務委託により実施されており、委託業者である(株)N社の契約講師Aが『企業のリスク』管理の講義中、差別を助長する言動を行った。講師Aは「企業の宣伝広告でこんな形のポスターが問題になったことがあります。消費者から抗議があったため回収した。」と言いながら、脇を少し締め、肩の位置で右手のひらを開き、親指を曲げながら4本の指をそろえて、手のひらを受講生の方に向け、「動物の四つ足のことです。動物を処理することを意味します。関西の方ではあるんですが。」と話した。つづけて「そのつもりはなくても差別と誤解されることがあるので注意が必要です。」という趣旨の説明を行った。
 今回の事件は、『四本指』の動作が部落の人々を動物扱いする極めて侮辱的で差別的な動作であることなどを十分説明することなく、『企業のリスク』管理の問題として説明し、「注意が必要です」と述べ、差別を助長した事件である。
 昨年10月以降2度にわたる話し合いをつづけ3月4日の3回目の話し合いでは、A講師の反省文および(株)N社の反省文が提出された。講師Aは「同和問題に関する正しい知識もなく、軽々しくも差別発言と動作を行ったことは、更に差別を助長する恐れがありました。」と反省した。