INDEX > 差別事件

差別撤廃に役立つ「顕し方」を
 塩見鮮一郎さんと第2回話し合い

 「新・部落差別はなくなったか?」における被差別部落のレポートについて、著者の塩見鮮一郎さんとの第2回話し合いが4月18日、練馬区関北地区区民館で開かれた。解放同盟からは中央本部の和田中執、神奈川県連からは、三川委員長、根本副委員長、都連からは藤本副委員長、近藤書記長、堀練馬支部長が参加した。
 「新・部落差別はなくなったか?」は、2011年2月緑風出版から発行されたものであり、東村山・練馬(東京)、小田原(神奈川)、小諸(長野)、養老(岐阜)、三条・崇仁(京都)の被差別部落のルポが、住民の知らないところで、地図や写真入りで掲載されていた。このルポについて、@土地差別調査事件やインターネットでの部落の暴露や差別扇動がなされている現状の中で、このような「顕し方」をすることは差別撤廃にとってどのような意味があるのか、A地区住民の不安や困惑についてどのように思うか。B私たちも「隠す」ことで差別が撤廃するとは思っていない。地区のフィールドワークの受け入れなどはその現れである。塩見氏が差別をなくす目的でこの本を出版したのなら、当該地区の住民や支部、運動との協働こそが重要ではないか、と疑問点が出されていた。
 この問題をめぐって、昨年12月14日塩見さんと第1回目の話し合いが開催され、塩見さんは、私たちの投げかけた疑問点に応じ、住民や解放運動との協働で差別撤廃に役立つ本を新たに出版することを約束していた。
 今回の話し合いは、その「新たな本の構想について」が主要なテーマであり、塩見さんは当初執筆そのものを自分と解放同盟が分担して書くという合作案を示したが、「新・部落差別はなくなったか?」の被差別部落のルポについての私たちの疑問点を塩見さん自身がきちんと受け止め、新たな本を自らが執筆することを私たちは望むとあらためて主旨を説明し、塩見さんも納得し、神奈川県小田原の部落について、神奈川県連と協力しながら本にしていくことが決まった。また練馬のフィールドワークにも参加し交流を重ねながら運動への理解を深めてもらうこととなった。
 塩見さんとの話し合いは今回で終了となるが、この差別撤廃に役立つ「顕し方」というテーマは大きな課題であり、その一つの答えが次の塩見さんの本に積極的に体現できるよう都連としても協力していきたい。

部落解放同盟東京都連合会
http://www.asahi-net.or.jp/~mg5s-hsgw/