「部落探訪」削除裁判第1回口頭弁論が、3月13日、さいたま地裁でおこなわれた。埼玉県内、神奈川、東京から傍聴行動をおこない会場満席の約50名が傍聴した。また、裁判終了後、埼佛会館で報告集会が持たれ約100名が参加した。
口頭弁論では、被告の示現舎は不参加であったが、原告2名から訴訟理由について意見陳述した。
個人原告のI支部長は、「部落探訪」では私の地区の個人宅、自動車のナンバー、会社の看板、墓地などの写真21枚が掲載されている。法務局に削除要請したが未だ削除されていない。誰かが原告になって闘わなければ今の状態は放置されたままになることから支部長である私が原告になったと裁判への決意を語った。
また、もう一人の原告である部落解放同盟埼玉県連合会を代表し片岡明幸県連委員長からは、①被差別部落であることを暴露する「部落探訪」は差別意識をかきたて、平穏な生活を脅かし、身元調査の材料として悪用されること、②「部落探訪」は「全国部落調査」復刻版の出版が裁判所の判決によって差し止められた報復であること、③「部落探訪」は社会的批判に対する挑戦であること、④部落解放同盟埼玉県連合会は被害者の代弁者として権利を行使できるはずであることの4点をポイントに意見を述べた。
報告集会で、山本志都弁護士は、①まず、現行では、部落解放同盟は原告になる資格はあるが、実際差し止めや損害賠償など権利行使はできない。埼玉では19地区が暴かれているが、各地区から原告を出すのはたいへんであり、団体が権利行使できるようにする必要がある。②「部落探訪」は「人権探訪」「曲輪クエスト」と名前を変更しているが、「全国部落調査」復刻版同様に「部落のリスト」の暴露であることは同じである。③今後、19地区の権利侵害を詳細に確認し、次回は早くても6月下旬か7月初旬になるだろうと説明された。
また、田並尚明県議会議員、埼玉県人権教育研究協議会、埼玉人権啓発企業連絡会、部落解放同盟神奈川県連合会、同東京都連合会から連帯の挨拶があり、原告を孤立させることなく裁判勝利に向け全力で闘うことが訴えられた。