都連は1月24日、ピタットハウス土地差別調査事件について東京都と話し合いを東京解放会館でもった。東京都は都市整備局と人権部が都連は三役が出席した。
今回の事件は、大手の不動産関連会社スターツピタットハウスの江戸川店の担当者が、顧客の要望に応え、顧客が希望する取得物件の所在地が被差別部落かどうか、江戸川区に問い合わせし発覚した典型的な土地差別調査事件である。
ピタットハウスとの事実確認会と糾弾会において、何点かの課題が明らかになった。本事件を通じて浮かび上がった課題を行政としてどう解決し、再発防止にむけた対策を確立するかを主要なテーマとして話し合った。
浮かび上がった課題の第1は、宅地建物取引業の社会的責務がまだまだ徹底されていない現実があるということである。
第2に、江戸川区に問い合わせをした担当者は、部落のことについては、学校で習った気がするという程度で、ほとんど理解していなかった。また、この担当者は宅地宅建取引業士の免許を持っていたが、この担当者はまだ2,3年で免許更新時(5年毎)に実施されている「法定研修」には参加していなかった。免許取得時に研修が実施されていないという問題が浮かび上がった。
第3に、会社の担当者と顧客のやり取りの中で、顧客はインターネットで調べてそこがどうも部落らしいと言っており、ネットに何らかの部落の情報が掲載されているということである。今回は江戸川区に問い合わせ発覚したが、ネット情報を通じて、事件として発覚しない土地差別調査が多数存在する可能性がある。
土地差別調査の根深さを確認しなければならない。
土地差別調査の防止と宅地建物取引業者の人権意識の向上にむけて
話し合いの中で、東京都は、人権啓発の取り組みが当該会社において社内に徹底されてなかったことが、本事件発生の原因とし、改めて、業界団体に注意喚起の文書や啓発リーフレットを配布するなどの取り組みをおこなった。
また、今後の取り組みとして、①宅地建物取引士証の新規交付時に啓発リーフレットを配布。②「差別につながる土地調査」チラシを業界団体を通じ全会員事業所へ配布。③業界団体非加盟業者に対して東京都主催の人権講習会を実施。④業界団体の会報誌に人権啓発の記事を掲載。︱の4点を示した。
都連からは、第1に、業界の主体的取り組みを促す都の「指導」が必要だ。第2に、法定研修の講師が都内の部落問題をどこまで理解しているか、講師の育成や選定にむけた取り組みが必要だ。第3に、人権啓発だけではなく法的な規制措置が求められていると提起した。
土地差別調査の根深さを踏まえ、その根絶に向け、今後も東京都とは話し合いを続けていくことを確認し、ピタットハウス土地差別調査事件についての話し合いは終了した。