太刀岡公夫の戸籍謄本等
不正取得事件の全容解明を

戸籍謄本等526通の不正請求が発覚



戸籍謄本等請求用紙
請求用紙

 東京司法書士会所属の太刀岡公夫が戸籍謄本等不正取得により3月30日付で東京法務局長より懲戒処分をうけていたことが分かった。
 東京司法書士会が公表している懲戒処分書によれば、①2004年㈱a、2009年から2012年までの間㈱bから、第三者に係る戸籍謄本・住民票の写し等の取得を依頼された。②太刀岡は日本司法書士会連合会が定めた「職務上請求用紙」を使用し、業務の種類欄に「登記事項変更」等と虚偽を記載し、第三者の戸籍謄本等を取得し、㈱a、㈱bから報酬を得ていた。③戸籍謄本等の不正取得は526通、それに使用した「職務上請求用紙」は236通であった、――等が判明した。
 都連は、全容解明にむけ、中央本部片岡財務委員長とともに、8月26日、東京司法書士会と話し合いを持った。2011年に発覚したプライム事件では戸籍謄本等の不正取得が部落差別に利用されていることが分かっており、今回の事件においても被害者がいる可能性がある。東京司法書士会は詳細な情報をつかんでおらず、改めて、①依頼者の㈱a、㈱bはどういう会社か、②236通の職務上請求書番号は、③不正取得された都道府県名の内訳などについて調査協力を依頼した。
 8月30日、東京法務局人権擁護部と交渉を持った際にも、処分を下した東京法務局は詳細な情報について明らかにせず、引き続き話し合いを続けていくことになった。
 今回の不正取得事件では、戸籍法違反ではなく、司法書士法違反で処分されており、調査依頼したa社、b社はまだ野放し状態になっている。依頼先の司法書士を変えて、同じ犯行を続けている可能性もある。また「本人通知制度」を導入している12区においても、情報が上がってこなければ、通知のしようがなく、被害者救済の道を閉ざすことになる。全容解明に向け取り組みを強化するとともに、依頼者に対する規制と被害者救済にむけた「本人通知」を実現させていかなければならない。