中川右岸の緑道公園など8ヵ所に差別落書き
葛飾区大量差別落書き事件



中川右岸の緑道公園など8ヵ所に差別落書き

 葛飾支部は2月21日、葛飾区人権推進課から差別落書き発生の報告を受けた。区内を流れる中川右岸の緑道公園(遊歩道)のベンチなどに差別落書きがあるのを区公園課職員が発見し公園管理事務所長より人権推進課に通報されたもので、複数箇所に書かれているということであった。

 人権推進課と葛飾支部のそれぞれが現場周辺を確認したところ、中川右岸沿い遊歩道のベンチに2ヵ所、石のイスに1ヵ所、階段昇降口に2ヵ所、川側の欄干2ヵ所に黒マジックで太字10センチほどの大きさで「部落」と書かれているのを確認した。さらに2月27日、人権推進課職員が周辺地域を確認したところ、東立石4丁目の民家前の電信柱にも「部落」と書かれているのを見つけ、計8ヵ所への差別落書きが確認された。

 葛飾支部は、人権推進課に対して管理責任者である公園課と連携して警察に被害届を出し、犯人特定、地域パトロール強化等の要請をすること。また、区職員に対して差別落書き発生を知らせ、発見時の対応等の全庁的周知をすること、および落書きが発生した地域周辺への重点的啓発を要請した。

 今回の差別落書きも字体や内容から「葛飾区大量差別落書き事件」の犯人と同一人物による行為だと断定できる。「葛飾区大量差別落書き事件」は、2001年12月から断続的に発生し、区内の町会掲示板や電信柱、運動場のトイレなど、様々な場所に大量に書かれてきた。葛飾区を中心に足立区や江戸川区などの近隣区にまで広がり、2017年2月までに60件を超え、合計で120ヵ所以上も執拗に行なわれてきた悪質な差別事件である。これまでに差別落書きが行なわれなかった期間が2年半続いたこともあったが、今回は最後に発生した2017年2月から3年が経過していた。途絶えたかとも思われたが、また大量差別落書きが始まったことに地域での生活に不安を感じる支部員もいる。この差別の現実に腹の底から怒りを持って立ち向かう解放同盟としての使命と責任を実感している。

 葛飾支部は2016年7月に大量差別落書き事件糾弾の闘いとして、支部の若者たちや地域共闘の仲間たちとともに戸別ビラ配布行動を展開し、部落差別撤廃への地域の共感を広めてきた。部落差別解消推進法が制定されて3年が経過した今、この差別落書き事件を契機に、あらためて部落差別撤廃・人権確立、そして共生の取り組みの重要性を地域に訴えて行きたい。

(葛飾支部)