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「差別を助長する研修」
受講した同盟員から提起
東京都福祉保健局主催の「社会福祉事業従事者人権研修会」で
昨年開催された東京都福祉保健局主催の「社会福祉事業従事者人権研修会」において受講していた同盟員2人から部落差別を助長する研修が実施されていたと提起があった。
問題の研修会は昨年7月と9月に3回開催され1回に300人、計約900人が受講した。本研修は「福祉と人権」というテーマで主要に部落問題啓発の一環として取り組まれている。
研修内容で問題と思われる点は大きくは3点ある。第一は、部落の低位性のみ強調し受講者にマイナスイメージを植え付けている点である。「あの人たちは怖い人たち、言葉が乱暴、教育程度が低く、生活程度が低い」と親から差別的に教えられたと語るがその差別性については一切説明されることなく語られている。その他、低位性につながる発言は講演全体に貫かれている。
第2に、「仙台市の人はいますか?」と会場に呼びかけ、現実の被差別部落の所在地や町名を具体的に述べている点。未組織で未事業の地域を教えるということそれ自体が差別につながる。
第3に、研修会に出されたレジュメの3分の1(A4一枚)を「穢多」、「長吏」など差別語の羅列に使用し、「差別語は命にかかわるので絶対使わないでください。使って厳しい問い詰めを受けるのは皆さん方なので絶対に使わないでください」といい、「言わなければよい。使わなければよい」という偏見に基づく「禁句集」にも通じる考え方が見られる点である。
都連は1月25日、本研修を主催した東京都福祉保健局と人権部に対して研修内容の問題点について交渉した。交渉には受講者含めて都連、各支部から8人が参加した。
受講者からは、「惨めな気分になった」「一般の受講者は厳しい実態になくて安心するだけではないか」「受講者に被差別者がいるという視点がない」と研修の問題点を追及した。
東京都は概ね研修内容の事実を認めたが、その事実に対して「講師の本意ではないと思う」「しかしそう受け止められたことは重く受け止める」と自らも受講している研修に対してなんら問題点を見出していない回答をしている。東京都の部落問題研修のあり方が根本から問われる事態である。
今後、話し合いを継続することを確認し、また講師本人との話し合いを強く要請した。
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