「全国部落調査」復刻版出版事件裁判控訴審 第2回口頭弁論
「全国部落調査」復刻版出版事件裁判の控訴審第2回口頭弁論が2月1日、東京高裁101号法廷でひらかれた。東京からも各支部、共闘団体から32名以上が参加した。
一審原告からは片岡・中央副委員長(糾弾闘争本部事務局長)、山本弁護士が意見陳述を行なった。
片岡・中央副委員長は①部落差別の実態から考えれば一部の都府県だけを差し止めるのは間違っている②住所や本籍を置いているものだけにプライバシー侵害を認めるのは間違っている③法務省が回収し焼却された「部落地名総鑑」と同じ内容の差別図書であること④被告らの説示違反などの悪質性、4点に絞って意見陳述をした。
山本弁護士からは、部落差別の実相をみて判断してほしいと訴え、本件は人の尊厳を根底から損なう「差別」の問題であり、裁判所がプライバシー権の侵害とだけみる判断をしたことに根本的な誤りがあり、「差別されない権利」あるいは「差別されずに平穏に生きる権利」について判断するよう求めた。
一審被告側はMが意見陳述したが、解放同盟や行政・司法への批判などの主張が大半を占めた。
判決は6月28日午後2時に出されることが決まった。
報告集会
報告集会は、日比谷図書文化館日比谷コンベンションホールを会場にオンライン併用で行なわれた。
中央本部挨拶を西島・中央執行委員長、原告代表挨拶を片岡・中央副委員長が行ない、指宿弁護士、河村弁護士、山本弁護士、中井弁護士から弁護団報告が行なわれた。その内、指宿弁護士は「一審判決は非常に不十分なものだった。これは差別禁止法がない日本の現状の表れだ。控訴審でいかなる判決になろうとも、それで終わりではなく、法律を含めて差別を許さない社会をつくっていくという課題がこの裁判から浮かび上がっており、同時に大きなきっかけになると思う。一審判決より前進した判決が出されるだろうと手ごたえは感じている。高裁で出される判決を活用して反差別の運動をさらに進めていこう」と話された。
最後に、赤井・中央書記長が閉会挨拶と団結ガンバローを行なった。