包括的差別禁止法などの立法闘争に活用を
「復刻版」裁判控訴審判決 神奈川県報告集会



「全国部落調査」復刻版出版事件控訴審判決報告神奈川県集会

 「全国部落調査」復刻版出版事件控訴審判決報告神奈川県集会が、7月29日、神奈川県川崎市労連会館で開催され、全国から約150人が参加した。川崎市は鳥取ループ・示現舎の地元である。

 赤井隆史中央書記長、根本信一神奈川県連委員長が主催者を代表し挨拶をおこなった。赤井書記長は、意義のある控訴審判決の成果をふまえ、包括的な差別禁止法の制定と各自治体での「条例」制定・改正を実現しようと訴えた。

 集会では、指宿昭一弁護士、山本志都弁護士からの弁護団報告と片岡明幸中央副委員長の原告代表の報告があり、「差別されない権利」を認めた画期的な控訴審判決を踏まえ、最高裁での完全勝利にむけて闘いを強化するとともに、あらゆる差別との闘いや包括的差別禁止法などの立法闘争に判決を活用しようと確認した。

 指宿弁護士は、「憲法14条」だけではなく「憲法13条」の幸福追求権と合わせて「差別されない権利」を認めたものでありこれまでの法律学や憲法学における差別という概念を覆す画期的判決であるとした。

 また、山本弁護士は、「差別されない権利」を認めた判決の箇所について詳細に報告されたうえで、全国の裁判実務に大きな影響を与える東京高裁の判決であることの意義について強調された。