社内人権研修の充実を約束

「穢多村」表記のある
古地図の出版問題



古地図掲載の問題話し合い

 「よみがえる江戸」古地図掲載の問題について、2月17日、中央本部会議室で、話し合いが開催された。解放同盟中央本部から和田、大西中執、都連からは長谷川委員長はじめ3名が、「よみがえる江戸」を出版した㈱双葉社編集総務室から2名が参加した。
 「よみがえる江戸」は、2012年6月に発行され、約5000部市販されている。この本は、「江戸一目屏風」+「彩色切絵図」「古写真」「浮世絵」でたどるビジュアル今昔歩きとサブタイトルがついているように、江戸歴史を散歩する観光ガイドマップである。この中で浅草を紹介する項において、国立国会図書館蔵の「穢多村」表記のある江戸切絵図が、何らの配慮もなく、使用されている。今日的に部落差別意識が存在する中で安易に現在の被差別部落を示す古地図、古絵図をそのまま掲載することは結果として部落差別を拡大助長する。差別実態、差別意識が存在することを踏まえ、一定の配慮のもとで掲載されなければならない。
 ㈱双葉社は、一切の注釈なしに無造作に掲載し刊行してしまったことは誤りであったと認め、歴史的経緯含めて丁寧な注釈にページを割くなど最大限の配慮をすべきであったとし、再発防止に向け社内人権研修・啓発活動の充実にむけ取り組みを強化するとした。また、市中にある在庫20~30部は、書店に回収・返品をおねがいしているところだと報告された。
 解放同盟からは、インターネット時代であることを重視し、表現の自由との関係でも差別表現に立ち向かうよう、会社として、差別を許さない人権を確立する基本理念を掲げ、社内全体に人権教育を徹底してほしいと要請した。