関係11都区市が東京法務局に「削除要請」
部落探訪差別事件



 示現舎がおこなっている「部落探訪」差別事件は開始から3年目を迎えようとしているが、未だ削除されず放置されている。

 「部落探訪」差別事件は、「興味本位」で被差別部落を歩き写真入りのレポートをインターネットに公表している事件である。「全国部落調査」復刻版出版事件と同様に、被差別部落の所在地をネット上に公表し、差別を誘発する差別煽動である。情報量は「全国部落調査」復刻版よりも多く、悪質である。このような差別行為のもとで、被差別部落の出身者は、不安と恐怖の暮らしを余儀なくされており、一刻も早い解決が必要とされている。

 「部落探訪」は2015年12月から開始され、11月13日現在で99地区以上が晒されている。都内では8区市に関係する9地区がレポートされている。また、記事に対するコメントに記載されている地区や個人名もある。未組織部落も多く事態は深刻である。

 都連は5月22日、東京法務局に削除要請をおこなった。また、8月24日、東京法務局と交渉をおこない、東京法務局は「一般にインターネット上の不当な差別的取り扱いを助長誘発する目的で特定の地域を同和地区であると指摘するなどの内容の情報を認知した場合は、人権侵犯事件として立件の上、その情報の削除をプロバイダ等に要請するなど適切な対応につとめる」と回答した

 また、東京都、関係区市に対して、東京法務局に削除要請するよう働きかけ、関係する都区市町村すべてから東京法務局に対して「削除要請書」が提出された。地方法務局への「削除要請」の取り組みは現在全国で展開されている。当事者はもちろん地方自治体からの要請にも応え、法務省は示現舎に対して「人権侵犯事件」として立件すべきである。また、「部落探訪」は海外サーバーを経由していることをふまえ海外プロバイダ等による削除にむけた対策を早急に講じるべきである。さらに、「部落差別解消推進法」が制定されても「部落探訪」は削除されないという法律の限界を受け止め、差別禁止・人権侵害救済法制定に向けた取り組みも強化していかなければならない。