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今昔マップ問題で出版社が見解示す
差別を助長しない編集へ

 

 大江戸今昔マップ差別助長事件についての第4回話し合いが11月20日、中央本部会議室で開催された。出版社からは社長をはじめ3名が出席し、解放同盟からは和田中執、長谷川都連委員長など6名が参加した。
大江戸今昔マップ差別助長事件とは、「穢多村」「非人」表記のある古地図と現代地図を重ね合わせることで、被差別部落を特定することができ部落差別に悪用されかねない書籍を出版した事件である。
出版社はこの事件について、@「重ね地図」化は、差別を助長し、当該地域住民に精神的苦痛を与える。A歴史研究・史料において、改変、改竄、隠蔽はおこなうべきではないが、部落問題の場合歴史的史料といえども差別意識や予断と偏見と安易に結びつくところから相当な配慮が求められる、とした中央本部が2003年に示した「古地図・古絵図刊行および展示に対する基本的考え方について」を支持する。Bこうした基本的姿勢に基づき、今後の刊行にあたっては差別を助長しない編集上の処理をし、合わせてこうした編集上の配慮をせざるを得ない部落差別をめぐる今日的な社会状況について会社としての見解を掲載する。C人権問題担当者の設置など社員教育の充実に向けて体制作りに取り組む、等の見解を示した。
この「見解文」をもって基本的に出版社との話し合いは終了するが、先述の「中央本部2003年文書」にも示されている通り、本質的には「関係史料・資料の公開など、その取り扱いに関わって、関係機関との協議をすすめ、公開の度を高めていく方策を確立していくことが必要」であり、歴史史料が公開されても差別されない社会的諸条件を獲得していく取組が重要である。

部落解放同盟東京都連合会
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