部落の仕事や労働から学ぶ
教育・啓発・研修を

AGFインターネットCM差別事件



 中央本部、都連、全芝浦屠場労組は、AGFインターネットCM差別事件第2回糾弾会を3月9日に開催した。CM製作に直接関わった4者からの反省文、及び味の素㈱、味の素ゼネラルフーズ㈱(AGF)、㈱電通から社としての反省文が出され、糾弾会は今回で終了した。
 CM製作に携わった製作担当者は、と場労働について、「残酷であると無意識に感じており職業の実態を認識しないようにしていた」「自分は差別をしない。自分には関係ない」と思っていた。「牛が肉にされるのを嘆き悲しむのは・・・世の中のほとんどの人はそう思っているはずだ。であれば、この表現は普通に受け入れられる」と考えていた。と自らの差別意識について省みた。
 また、㈱電通は、「人権尊重は社の存立基盤」であるとし、フィールドワークなど当事者の声を聴く研修の実施、インターネット広告を人権的視点で改めて考え日本広告業協会と連携して取り組んでいくと社としての決意を述べた。味の素ゼネラルフーズ㈱は、人事総務部に専任の人権担当者を新規に配置する。当事者による学習会やフィールドワークを実施する。全社員研修を実施するなど改善策を明らかにした。
 参加した屠場労組や都連同盟員からは、①一般の差別意識に乗っかってしまっている。逆に、一般の意識を啓発する立場に立ってもらいたい。②子どもが差別されるかもしれないので、自分の仕事を告げていない。いつ伝えられるのか。こういう差別の現実をしっかり踏まえて欲しい。③東京の部落の実態、仕事や労働から学ぶという研修を実施してほしい、など各社の今後の真剣な取組実践を要請した。
 今回の事件はインターネットCMのあり方や東京の部落の現実から学ぶという教育、啓発、研修のあり方、更に、広告業界全体として、差別規制の在り方など今後検討し解決していかなければならない課題も浮き彫りにした。