第1回進路保障会議が7月10日、浅草観光センター5階会議室でひらかれた。都教育庁、産業労働局、生活文化局私学部、東京労働局、東京都同和教育研究協議会、東京都高等学校教職員組合、部落解放同盟東京都連合会が出席した。
会議では各局から取り組み報告が行なわれ、公正採用選考・就職差別撤廃へ教育や労働などの行政施策の充実に向けて協議がされた。
都教育庁は「平成28年度都立高等学校から通報を受けた『早期選考・三局要請文違反事実の疑いに係る』通報票」の実態について報告された。違反又は疑いのあった事業所数は142社で昨年の147社から減少した。また、違反報告件数は全日制が112件で昨年の149件から減少している。定時制は57件で昨年の97件から減少した。
産業労働局からは就職差別解消促進月間(6月)の取り組み(参加993人)や企業向け啓発冊子「採用と人権」の作成および配布(都内の従業員30人以上のすべての企業3万6千社に配布)や「働く時の知識(高校生)」の発行・配布の取り組み(都立高校192校・5万4千部、私立学校51校1万部)、「就職活動中の皆様へ」の作成配布、高校の新規卒業者に関わる啓発としてポスターの作成配布、教育庁・生活文化局・産業労働局の局長連名の公正採用選考の要請文の送付などが報告された。
東京労働局は「平成30年3月新規高等学校卒業者の採用選考等に係わる不適正項目別事実確認状況」を報告した。通報件数は144事業所で昨年の143件から微増した。企業の採用時の情報収集集の違反内容で「出身地」は9件、昨年の9件と同数。「家族・保護者の職業」は36件で昨年の30件から増加した。家族関係の件数(家族構成38・3%、家族の職業19・7%、家族に関するその他1・6%)は59・6%と依然と多い。
都連からは採用時に公正採用選考のチラシを使って企業が自社の採用時の法令遵守(コンプライアンス)を求職者に説明するように啓発することを要請。具体的には採用時の説明会や面接で「法令によって採用時に聞いてはいけないこと、求職者側からも言ってはいけないことがあります。」と企業から簡潔に説明して就活生に「就職活動中の皆様へ」を配布するように行政指導の工夫を要請した。これにより社内の採用担当者や役員への周知が促進され、就活生への周知(公正採用選考の意義、通報システム、違法性)が格段に広がる。そして、就活生に関心が生まれることで、大学などの教育機関や行政の就活ガイダンス、面接・履歴書セミナーなどでの周知が促進される。また、「採用と人権」の配布時に30人以上の企業に対して、「就職活動中の皆様へ」を同封し趣旨と用途を伝えるように要請した。