統一応募用紙の学習や研修の充実を要請
第2回進路保障会議



 2021年度の第2回進路保障会議が、3月28日、都庁教育委員会室で開催され、都教育庁、産業労働局、生活文化局、東京労働局、東京都同和教育研究協議会、東京都高等学校教職員組合、部落解放同盟東京都連が出席した。コロナ禍で第1回は書面開催となったため1年ぶりに対面での話し合いが行われた。

 まず、各局からの報告が行われ、教育庁からは、2021年度都立高等学校から通報を受けた「早期選考・三局要請文違反事実の疑いに係る通報票」の実態についての報告がされた。違反またはその疑いのあった事業所数は39社で、昨年度の45社からは減少したが、「面接時における就職差別につながる質問・調査」が20社、「統一応募用紙以外の書類の提出」が7社など、就職差別・公正採用選考違反の事例が依然として多い実態が浮き彫りになった。

 生活文化局私学部からは、私立学校に対する進路保障に関する啓発・研修等の実績が報告された。

 産業労働局からは、就職差別解消月間(6月)の取り組みや、企業向け啓発冊子「採用と人権」(2022年度版)を作成し、従業員30人以上の都内全事業所に配布したことなどが報告された。

 東京都労働局からは、新規高校卒業者の「採用選考等に係る不適正項目別事実確認状況」が報告された。通報件数は78件、そのうち面接時に家族構成や保護者の職業、出身地等を聞く不適正質問が51件と最も多く、次いで社用紙に記入させるなど統一応募用紙違反が7件であった。それらの事案に対して是正指導を行った状況、結果も報告された。

 都同教からは、「早急に対応が必要な案件は、学校と東京労働局が直接連絡を取り合って解決に向けて取り組む」という取り決めが、都教委と東京労働局で引き継がれていなかったため、解決にあたって問題が生じた事例を報告。今後、生徒を守るために最善の手段が取れるよう、都行政と労働行政の体制をさらに構築することが確認された。

 都連からは、生徒への統一応募用紙の学習や、教員の意識を高めるための研修の充実を要請した。また、2022年度改訂が予定されている統一応募用紙(性別欄の変更)について都教委の見解を質し、差別につながらない指導を求めた。