東京都は8月、15年ぶりに改訂された東京都人権施策推進指針を発表した。首都圏、都内を中心に活動をしている被差別当事者団体のネットワークである人権ネットワーク・東京は、東京都の「指針」策定に対して、10月13日、「声明」を発表し、同時に、「東京都人権施策推進指針具体化にむけた要望書」を東京都に提出した。
「声明」では、「今回発表された指針には私たちの声が十分に反映されておらず大変残念であるものの、2000年以降手つかずであった指針を見直し、新たに策定することで、東京都が人権尊重の立場を明確にしたことには少なくない意義がある」とし、以下の4点を求めた。
①今後、東京都が国際人権基準重視の姿勢をより明確化し、あらゆる施策が同規約・条約及び国際人権諸機関からの勧告の内容に沿ったものとすること。
②東京都があらゆる差別と人権侵害を許さず、撤廃していくための施策の土台としての実態調査を行うこと。
③今後、被差別当事者の主体的参加のもと、被差別当事者の声をより幅広く、より深く掬い上げることをもって、東京都が人権施策の具体化を図ること。
④今後、東京都が人権施策の内容及び同施策が実際にもたらした影響について検証し、より実効性のある施策へと更新していくこと。
そして、このような基本的考え方に基づき、①「差別禁止と人権侵害被害者を救済する条例」の制定。②国内外にむけ「人権都市宣言」の発布。③被差別当事者団体による第三者機関の設置。④「被差別当事者団体」との連携の在り方の明確化。⑤定期的な実態調査を実施などを盛り込んだ要望書を提出した。