人権ネットワーク・東京(代表 八柳卓史)は、9月9日、「東京都人権施策推進指針に関する有識者懇談会」に対して東京都が実施すべき人権政策について被差別当事者からの要求書を提出した。
東京都は14年ぶりに東京都人権施策推進指針の見直しに着手し、「有識者懇談会」(座長戸松秀典)に「見直し案」の提言を求めている。既に、7月25日第1回目の懇談会が開催されている。今回の要求書は、「有識者懇」が東京都に提言すべき人権政策案について、被差別当事者の立場から「有識者懇」に対して提出したものである。
「要求書」は「基本要求」と「人権課題別要求」で構成されており、人権課題別では女性、性的マイノリティ、在日韓国・朝鮮人、外国籍住民、障がい者、野宿者、被差別部落、婚外子の8課題について10団体からの要求がまとめられている。
「基本要求」では、①「指針」というガイドラインではなく「条例」など都政の重要課題として人権政策を位置づけること。②「東京人権宣言(仮称)」を発布し差別撤廃、人権政策確立に向けた東京都の意思を匤内外に表明すること。③ヘイトスピーチを含むあらゆる差別を禁止し、人権侵害被害者が救済される差別撤廃に向けた包括的な制度を確立すること。④被差別当事者による「審議会」設置など被差別当事者が人権政策推進に参画できるシステムを確立することーなどを要求している。
舛添都知事は、2020年オリンピック、パラリンピックを見据え、議会答弁では、多文化共生社会の実現、都民に対する人権啓発の強力な推進を表明しており、また、ヘイトスピーチ・デモなどを規制する法律の制定を国に求めている。民族排外主義の強まり、差別事件の増加と悪質化といった状況の中で、人権ネットワーク・東京は、国際都市東京として国際人権基準に合致した人権政策の確立にむけ、今後も被差別当事者の立場からの意見表明や要請行動などを展開していくとしている。