第39回多摩地区各市町村同和問題意見交換会が10月17日、東村山市で開催された。
開会にあたって幹事の東村山市の渡辺尚市長から「全国部落調査」復刻版の問題に触れ、「戸籍謄本不正請求・取得への積極的対応が重要」とのあいさつがあった。また都連長谷川三郎委員長からは「(全国部落調査には)多摩地区の多くの部落が記載されており、新たな課題として対応を検討してほしい」とのあいさつが行われ、宮瀧順子国立支部長からも「当事者として、許すことのできない問題」とのあいさつがあった。
続いて、近藤登志一書記長が問題提起を行った。「全国部落調査」復刻版出版事件について、その差別性を訴え、裁判の取り組みなどをくわしく報告した。そして、市内に部落があったり部落出身者が住んでいて、差別にさらされている中で、部落差別を撤廃する行政の確立が急務の課題であることを訴えた。具体的には法務省や東京法務局に対して「対策の確立」を要請することと、住民からの相談に対応できる体制の確立を強く要請した。
各市町村からは、今年度実施した市民対象および職員対象の啓発事業や研修について報告があった。部落問題に特化した職員研修を行っているところも増えており、また広報で同和問題の啓発を行うなどの取り組みも報告された。国立市では、人権週間に市民向けに『ある精肉店のはなし』を上映することが決まっている。
最後に小島正次国立支部書記長が、「法務省・法務局への要請や、戸籍等不正請求対策としての本人通知制度づくりに早急に取り組んでほしい。ネット上で部落の詳細な地名や個人名が羅列されている。地元の部落の住民から相談があったら、私たちと緊密に連絡を取ってほしい。市独自の職員研修を行っているところもあり、評価できる。全庁的な研修体制の見直しをはかってほしい。」とまとめた。