第34回多摩地区各市町村同和問題意見交換会が5月21日、調布市で開催された。
開会にあたって幹事の調布市の長友市長からあいさつがあった。都連からは長谷川委員長、そして宮瀧国立支部長があいさつをした。長谷川委員長は、「インターネットやヘイト・スピーチで、『法に触れない』と堂々と差別を宣言し挑発する行為が多発している。力を合わせて差別をなくす取り組みを行なっていこう」と語った。
続いて、近藤書記長が問題提起を行なった。「インターネット版部落地名総鑑事件で部落の地名が公表され、行政などへの差別的な問い合わせも起きている。みなさんも他人事ではないということを自覚し、きちんと対応してほしい。また、研修を行なう際には、部落の貧困やみじめさを強調するのではなく、部落が担った社会的役割や誇りなどプラスイメージを伝えてほしい」と問題提起した。
各市町村からは、今年度実施する市民対象および職員対象の啓発事業や研修について報告があった。さまざまな課題について工夫をした啓発事業を行なっているが、部落問題に特化した事業はほとんどなかったため、部落問題に関する啓発も行なうように要請した。研修については、ほとんどの行政が職員研修所への職員派遣を行なっているが、中には人権文化フォーラムや就職差別撤廃集会などの当事者の行なう集会に毎回参加することを位置づけている行政も見られた。
最後に小島国立支部書記長が、「部落の所在地を図書館で調査する業者もいる。図書館は臨時職員や指定管理者が増えているので、対応の周知を徹底してほしい。また、部落のお囃子の保存等の文化的取り組みにも関心を持って欲しい。」とまとめた。