「全国部落調査 復刻版」で

多摩地域の自治体へ取り組み強化を求める



 鳥取ループ・示現舎によって、インターネットで公開されている、「全国部落調査 復刻版」では、東京の被差別部落20地区が該当するが、その内、実に17ケ所が多摩地域の部落となっている。(当時、調査を依託された中央融和事業協会に報告をしていない町村もあり、実数とは異なる)多摩地域では、戸籍謄本の不正取得に対する行政的取り組みが全く進んでおらず、戸籍を、この「地名総鑑」で照合すれば、部落の出身を把握することは容易となる。
 こうした、許しがたい差別犯罪行為に対して、国立支部は7月12日、行政としての取組みを強化するよう、国立市へ要請を行なった。差別サイトで実名、住所等を公開された支部長をはじめとする要請により、国立市は、法務省人権擁護局へ「最大限の実効性のある対策」を求める要望書を提出した。また、戸籍の不正取得問題も、市として具体的に取組んでいくことを確認した。
 多摩地域では東京法務局等へ、既に、数市が要請書等を送付している。今後さらに、市町村からの要請書の提出を働きかけていく必要がある。この「全国部落調査 復刻版」によって、部落の出身者は差別を受けもするが、直接、自分が部落の出身であることを、初めて知ることになる者もいることであろう。そうした市民の相談・啓発も、行政としての重要な課題となってこよう。多摩地域の部落のなかまのため、都連・三多摩対策委員会としても、今後、各市町村に対して、こうしたことへの対応を求めていくことを確認している。