ネットなど新たな差別形態を課題に

2017人権のつどい



江東人権の集い

 「 部 落 差 別 の 解 消 に 向 け て 」 『「 全国部落調査」復刻版出版事件裁判から考える』をテーマに「2017人権のつどい」が2月3日、 多数の皆さんにお集まりいただき江東区の深川江戸資料館小劇場に お い て 開催されました。
 本つどいは、毎年この時期に実行委員会の主催で開催されており、今回で15回目となります。今回のつどいでは、「全国部落調査」復刻版出版事件裁判弁護団の河村健夫弁護士からテーマにそって講演をいただきました。
 「全国部落調査」復刻版出版事件裁判は「部落差別の解消の推進に関する法律」に係る参議院法務委員会での議論や参考人質疑においても、今日の部落差別の状況等を把握する上で大変重大な問題として認識されました。一部で部落差別解消に向けた新たな法律は不要、現行法で事たれりとする主張がありましたが、現に人権侵害を被っている被害者が存在する中、被害者救済法制度の確立に向けて本法律が寄与することは明らかです。
 講演では「全国部落調査」復刻版出版事件裁判における公判において明らかになった事実について詳細に説明がなされました。とりわけ本件事案がインターネットを利用したものであり、未だに全国の部落地名や個人情報がさらされ続けているという事実は許しがたいことであることが理解できました。
 また、法の中でも明示しているように現代社会におけるインターネットを媒介とした新たな差別形態というものについて明らかにするとともに、これに伴う問題について図解資料を含め詳細に提起いただきました。部落差別はじめインターネット上での様々な差別事案について、表現の自由との兼ね合いから如何に対処していくべきかということを一人ひとりが考える機会を得ることができた有意義な講演会でありました。 (江東支部)