2016年度第2回目の区民企画同和問題講座が11月5日足立区勤労福祉会館(綾瀬プルミエ)にて開催された。今回は朝日新聞社の北野隆一さんをお招きし「差別問題を取材して~今、なぜ部落問題なのか」と題して講演をいただいた。
北野さんは冒頭「部落問題や在日コリアンの問題を取材してきたが、差別問題は過去の遺物となって消滅し、最新ニュースになることはないだろうと思っていた。ところが、ヘイトスピーチという形であからさまな差別が社会を揺るがすことになるとは、予想もしなかった」と述べられ、鳥取ループによる「全国部落調査復刻版」出版、インターネット上での掲載、そして裁判に至る経過を詳しく説明された。この中で「同和地区Wiki」というサイトで部落出身者の個人情報を掲載することは、アウティングという差別行為であり、自らの意思で立場を明らかにするカミングアウトとの違いについても説明された。
そして、ヘイトスピーチなどの在特会による差別扇動に対して、「ヘイトスピーチ対策法」が制定されることになった経過など、これまでの取材をもとに、様々な差別問題についてわかりやすく話された。会場からは多くの質問が出されるなど、第1回目に続いて大きな成果を上げ終了した。 (足立支部)