9月26日、東京労働局交渉が九段第三合同庁舎で行なわれ、都連からは飯塚委員長をはじめ6名が、東京労働局からは山本職業対策課長をはじめ5名が出席した。
はじめに飯塚委員長があいさつをおこない、「全国部落調査」復刻版出版事件の経緯を説明するとともに、就職差別につながる問題であると強調、東京の労働行政の在り方が問われている公正採用選考の実現に向けての施策を求めた。
要請にあたり近藤書記長が要旨を説明、「就職差別、差別身元調査のような差別の現実がある中、東京労働局には、部落差別のない社会を実現するための『部落差別解消推進法』と、職安法5条の4の具体化が求められている」と指摘。具体的には、法に基づく取り組みとして、雇用及び職業についての差別待遇を禁止するILO111号条約批准に向けた基本方針の明示、公正採用選考人権啓発推進員制度の拡充、就職差別解消シンポジウムの意義の周知および拡充、研修を通じた企業啓発の推進、企業に研修をおこなう労働局職員への研修の強化、就職困難者に対する相談体制の継続などを求めた。
質疑応答では、東京労働局が昨年度2月~3月の間に実施した公正採用選考人権啓発推進員の動画視聴研修後のアンケートにて、Webでのエントリー方式を採用しているかを調査したところ「有効回答2465件のうち1486件の事業所にてWebでのエントリー方式を導入しており、そのうち444件が全員面接していると回答している一方で、709件の事業所は記載内容のみで二次選考への通過者を絞り込んでいる」との結果から、ネットのエントリーシートなどでの書類選考の基準をどう明らかにしていくのかと質問。
労働局からは、基準に不明な点が多いので、実態に即した形で把握できるような調査の実施を検討していると回答があった。